資料1-1 令和5年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】 (49 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html |
出典情報 | 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》 |
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別化に必要な各種診断技術の標準化を目的として、上述の研究班が互いに連携しなが
ら研究を実施している。これらの研究班の成果は既存および今後新たに開発される認
知症疾患修飾薬の治験に貢献すると同時に、各研究班から得られた自然歴の追跡デー
タは今後の我が国における認知症研究の発展に資するものであることから、連携体制
の強化のための増額が必要である。
○「後向きコホートデータを基盤とした認知症性疾患の層別化と病態機構解明に資する
研究」(令和4〜7年度)
後向きコホート研究は患者と健常者集団の遺伝子を比較することにより、リスク遺
伝子の発見をおこなうものであり、得られたリスク遺伝子候補を検証することにより
リスク遺伝子の確度を向上させる必要があり、そのため、各種オミックス解析や先行
研究により蓄積されたデータ利活用、さらには前向きコホート研究である「大規模前
向きコホートデータを基盤とした認知症のゲノム・脳画像研究」との連携体制の強化
のための増額が必要である。
(2)新規研究課題として推進するもの
○「遺伝性認知症を対象としたコホートの構築」
遺伝性認知症の多くは若年性認知症を発症し、心理的にも負担が大きいことから病
態解明と治療薬開発を重点的に推進する必要がある。例えば前頭側頭型認知症の原因
遺伝子は必ずしも病型に1対1に対応しないため、原因遺伝子の判明した遺伝性認知
症のコホートを形成し、病態の解明を促進し、病態に即した臨床治験を進めることが
必要である。そのため、遺伝性認知症を対象としたコホートによる認知症性疾患の病
態解明と病態に即した臨床治験に資する研究を推進する。
○「臨床サンプル・データを用いた認知症性疾患の病態解明のための研究」
認知症発症の直接的要因はシナプス機能障害(脱落)とそれに続く神経細胞死であ
ることが明らかである一方、アルツハイマー病(AD)をはじめとする認知症性疾患で
認められる病理・病態がどのようなメカニズムで神経細胞の障害を引き起こすのかは
不明である。このため、ヒトから得られた臨床情報をもとに、ヒトを対象とする疾患
基礎研究の遂行が不可欠である。
(3)令和5年度の研究課題(継続及び新規)に期待される研究成果の政策等への活用又は
実用化に向けた取組
○「認知症プレクリニカル期・プロドローマル期を対象とするトライアルレディコホー
ト構築研究」を活用し、各層別化研究班(「血液バイオマーカーを用いた超早期アルツ
ハイマー病コホートの構築」、
「画像・バイオマーカー縦断コホート研究によるプレク
リニカルアルツハイマー病進行機序の解明」、
「多施設連携プラットフォーム(MABB)を
基盤にした各種認知症性疾患に対する日本発の包括的な診断・層別化バイオマーカー
システムの確立」、「血液バイオマーカーと神経画像検査による BPSD の生物学的基盤
の解明、および認知症者の層別化に基づいた BPSD ケア・介入手法の開発研究」、「疾
患修飾薬の実用化を見据えた認知症性疾患の標準的診断方法の標準化と普及を目指
す研究」が連携して認知症の超早期から発症に至るまでの進行や病態を層別化するこ
とによって、有望なシーズが得られる可能性があり、またそれをスムーズに治験に移
行できる体制が構築される。
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