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資料1-1 令和5年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】 (68 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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本研究課題では、薬剤耐性菌を含む変貌する病原体集団の時間的、空間的実態を把握
し、ゲノムレベルで解析するとともに、得られたデータを共有、活用し、新しい手法
による耐性菌早期検出法の開発、種々の特徴有るライブラリーからのスクリーニング
系の創出等、多領域を網羅した総合科学的見地からの治療法開発研究を推進する。ま
たファージ療法をはじめとし、既存の抗菌薬とは異なる機序、あるいは異なる標的に
対する新規治療薬、治療法の開発を推進する。
③国内での市中感染が認められる感染症に対する予防・診断・治療法の開発研究:
いまだ定期接種化がなされていないおたふくかぜワクチン、妊婦へのB群連鎖球菌
(GBS)ワクチン接種、潜在性結核を主な発生母体とする肺結核に対して予防効果が
低い BCG ワクチンの開発および疫学情報を取得し、国内市中感染が認められる感染症
に対する予防対策に資する科学的な知見の創出を推進する。その他、長期にわたり使
用されているワクチンについても、ワクチン接種後の生体反応や有効性・安全性のデ
ータを取得し新たな知見を得ることにより、現状の課題を明確にする研究を推進す
る。また、感染症の治療薬の遅れを解消するために、感染症領域における治験実施体
制構築の充実をはかる。また、感染症対策の基本となる予防における、個人用防護具
(PPE)や換気等の感染症管理・予防方法について、新たな測定方法、数理学モデルに
よるシミュレーション等を応用し効果的な感染症管理・予防法確立についての科学的
知見の創出を推進する。
(3)令和5年度の研究課題(継続及び新規)に期待される研究成果の政策等への活用又は
実用化に向けた取組
<継続課題>
○「ヒト T 細胞白血病ウイルス 1 型(HTLV-1)感染者の診断・治療法開発に資する研究」
本邦には約 80 万人の HTLV-1 感染者が存在し、新規の水平感染が年間約 4,000 例発
生していると推定されており、我が国の重要な社会問題である。成人 T 細胞白血病
(ATL)についてはクローンの動態や ATL 発症に関与する遺伝子変異の全体像が明ら
かになりつつある一方で、宿主免疫の減弱により ATL が発症すると極めて難治性とな
る。免疫原性が高い腫瘍である ATL の発症予測と免疫の賦活化による発症・再発予防
法の開発を通じて、治療法の開発、および適切な医療情報・医療プログラムの提供に
大きく貢献する。
○「ワクチンの品質管理試験法の開発および試験の精度管理法に関する研究」
日本脳炎ワクチン、狂犬病ワクチンの力価試験および不活化試験の in vitro 化等
の動物試験の代替、インフルエンザワクチンの力価試験を肉眼観察から機械化する等
の新たに導入が計画されているワクチンの品質管理試験法の確立、ヘモフィルスイン
フルエンザ菌 b 型ワクチン(Hib ワクチン)を含む混合ワクチンの品質管理試験法の検
討等の新たに導入が計画されているワクチンの品質管理試験法の確立を通じて、ワク
チン品質管理および精度管理対策に大きく貢献することができる。
○「一類感染症等の新興・再興感染症の診断・治療・予防法の研究推進」
ウイルスのライフサイクルである宿主細胞への侵入、ゲノムの転写・複製、出芽、
ウイルスの増殖に対する生体側の過剰な炎症性応答を治療法の標的として、ウイルス
増殖抑制・病態進行抑制法を開発することにより、ウイルス性一類感染症の治療法に
おけるリード化合物が同定されることが期待される。また持続性向上・経口吸収性向
上・副作用低減等により、ウイルス性一類感染症の治療法に有効な薬剤となり、国際
的な人や物の移動の活発化に伴う国内の発生への備えあるいはバイオテロ対策に大
きく貢献する。
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