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資料1-1 令和5年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】 (90 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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○「被虐待児の脳・エピゲノムに刻まれた傷跡解析による子ども虐待予防・介入法開発」
(令和2〜4年度)
虐待などの不適切な養育を受けた子どもは、一般の同年代の子どもに比べて、オキ
シトシン遺伝子の一部に、化学修飾「DNA メチル化」が多いことを確認した。また DNA
メチル化が多いほど、脳注意ネットワーク内の容積の低下、報酬系ネットワーク内の
脳活動の低下が認められた。さらに、DNA メチル化は、特に5-8歳時のマルトリート
メントや身体的虐待と関係があった。
○「学童・思春期のこころの客観的指標と連携システムの開発」
(平成 30 年度〜令和3年度)
学童・思春期における心の健康問題に関する実態把握を目的として学童・思春期の
子どもたち 10,611 名を対象に抑うつ症状の重症度評価を行った結果、ほとんど症状
がないと評価された児は 61.0%、軽症と評価された児は 22.4%、中等度と評価された
児は 8.7%、中等から重症と評価された児は 3.6%、重症と評価された児は 1.6%、欠損
は 2.7%であった。この他、攻撃性の指標、不安症の指標、QOL の指標を収集し、メン
タルヘルスの重要指標の標準値を得た。
③ 不妊症の解明と質の高い生殖補助医療の開発
○「不育症、産科異常に関わるネオ・セルフ抗体の研究開発」(令和元年〜3年度)
全国5つの大学病院で不育症女性 227 人に対し、新しい自己抗体(ネオ・セルフ抗
体)を測定した結果、全体の約 1/4 で陽性となり、さらに従来の検査では原因不明と
なっていた患者の約 1/5 で陽性であることが判明した。
○「不育症の原因解明、予防治療に関する研究」(平成 28〜30 年度)
日本人 6,556 例の不育症臨床データベースを構築した上で不育症リスク因子の頻
度や治療成績を明らかにした。
④ ライフコースデータに基づくエビデンス創出
○「周産期・小児領域における高品質臨床研究推進のための臨床研究コンソーシアム」
(令和元年〜5年度)
関連学会と連携して、人材育成や大規模多施設共同研究の実施基盤の構築を目指し
て、
「周産期・小児臨床研究コンソーシアム」を結成した。さらに、生殖・周産期・小
児に関わるリンケージデータベースの構築や研究支援等を推進している。
(3)これまでの研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
<研究成果の政策等への活用>
・思春期の集団向けのメンタルヘルスアプリケーションを開発した。

「学童・思春期の
こころの客観的指標と連携システムの開発」(平成 30-令和3年度))
・「不育症管理に関する提言 2019」をとりまとめた他、不育症の方々の精神的ストレス
を緩和するための Tender loving care の実践 DVD を作製して全国規模で配布した。
(「不育症の原因解明、予防治療に関する研究」(平成 28〜30 年度))
<実用化に向けた取組>
①先制医療実現に向けた周産期臨床研究開発等の推進
新生児集中治療室における精緻・迅速な遺伝子診断に関する研究開発や、新生児低
酸素性虚血性脳症の早期重症度診断法の開発等、妊娠期・小児期における各種バイオ
マーカーの確立により、新生児等の重症化予防や治療につながる。

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