資料1-1 令和5年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】 (119 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html |
出典情報 | 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》 |
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(1)継続研究課題のうち優先的に推進するもの(増額要求等するもの)
【臓器・組織移植分野】
○HLA エピトープ多型に基づく臓器移植のテーラーメイド医療開発に資する研究
移植ドナーとレシピエントの間での特定の HLA エピトープ不適合に基づき、移植後
の免疫担当細胞の活性化を予測できる。さらに個々のケースにおける細胞内シグナリ
ングの活性化を予測することで、免疫抑制療法のテーラーメイド化が可能となる。さ
らに 個々のケースにおける細胞内シグナリング予測することで、テーラーメイド型
免疫抑制療法の開発に向けた創薬対象の特定が期待できることから、増額を要求す
る。
【造血幹細胞移植分野】
○造血細胞移植レジストリデータを用いた、造血細胞移植後亜急性期合併症の予防・治
療の最適化に資する機械学習研究
造血細胞移植後の合併症は多彩であり、その発症には原疾患だけでなく、移植幹細
胞の種類、前処置や維持療法に用いる薬剤等の様々な要素が複合的に影響する。本研
究は、機械学習の手法を用いて、サイトメガロウイルス再活性化予測モデル、移植片
対宿主病の予測因子モデル、臍帯血ユニットの選択基準等を構築することを目指して
おり、移植後亜急性期合併症の予防と治療を最適化し、移植患者の予後改善に直結す
る内容であることから、増額を要求する。
(2)新規研究課題として推進するもの
【臓器・組織移植分野】
○脳死下および心停止後臓器移植における臓器保存、移植適応評価のための研究
限られたドナーソースを有効に活用するため、脳死下および心停止後臓器提供にお
ける摘出臓器の機能維持・改善や適応拡大に関する検討を行うことによって、移植可
能な臓器数の増加を目指す。
○移植臓器長期生着に資する遺伝子関連データベースを基軸にした移植後フォローア
ップ体制の確立を目指す研究
慢性抗体関連拒絶の解決策として、遺伝子関連情報を基軸にしたデータベースを活
用して、長期管理戦略の構築とテーラーメイド医療の確立を目指す。
【造血幹細胞移植分野】
○移植後再発に対する包括的研究
造血細胞移植の治療関連死が減少している一方で、移植後再発は未解決である。そ
のため、網羅的遺伝子解析によって、疾患リスクや移植適応を判断するだけでなく、
移植後の適切な維持療法等の治療法を開発する。また前処置に関して、新規抗体薬や
分子標的治療薬を組み込んだ工夫や、移植後合併症を予防できる方法についても開発
する。
(3)令和5年度の研究課題(継続及び新規)に期待される研究成果の政策等への活用又は
実用化に向けた取組
【臓器・組織移植分野】
継続課題については、遺伝子関連情報の解析により、免疫抑制療法の最適化等の個別
化治療の確立や、長期的な合併症発症のリスクに応じた個別化フォローアップの確立に
より、術後長期管理体制を整備する。新規課題については、摘出臓器の機能維持・改善
に関する検討を行い、新たな機器の開発につなげる。また、限られたドナーソースを有
効に活用することが可能となる。
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