資料1-1 令和5年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】 (66 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html |
出典情報 | 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》 |
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で、短期間でできる精度の良いスクリーニング法を開発した。
・細胞培養インフルエンザワクチン開発
ワクチン中の HA 抗原量を測定するために、一元放射免疫拡散(SRD)試験法の改
良を行った。エピトープの異なる数種類のモノクローナル抗体を用いた SRD 試
験法の確立を行い、現行用いているヒツジ抗血清使用時と同等の HA 抗原量を示
した。ヒツジ抗血清の作製には1ヶ月半ほど期間を要するなど、ワクチン製造
におけるボトルネックの一つとなっているが、本手法を用いることで製造の効
率化が達成された。
・ピロリ菌以外のヘリコバクター属菌による感染病態の解明
血清診断法(ELISA)を用いた H. suis 感染診断について約 100 名の患者血清を
用いた評価より、感度 100%、特異度 92.7%で本感染診断法の有用性を示すデー
タが得られ、本診断法に関する技術の特許を申請した。
胃液からの Non-Helicobacterpylori-Helicobacter(NHPH)感染診断法の開発に
ついて企業との共同研究を開始した胃液からのピロリ菌感染診断法について、
先般、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から診断薬としての承認を得ており、同
様な技術を用いて共同研究で NHPH 感染診断法を開発する段階に進展した。
2 令和5年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進するもの(増額要求等するもの)
①感染症サーベイランス、病原体データベース、感染拡大防止策等の総合的な感染症関
連対策に資する研究:
ヒト T 細胞白血病ウイルス 1 型(HTLV-1)感染者の QOL 維持において重要な成人 T
細胞白血病(ATL)、HTLV-1 関連脊髄症(HAM)の発症リスク判定法を開発し、将来的
な HTLV-1 感染者診療に利用可能なデータベースを構築する。
今までの研究支援による基礎的知見の集積等の成果から、発症予測法や予防法につ
いて、実用化を目指しての開発を視野に入れて研究開発を行うために増額を要求す
る。
②ワクチンの実用化及び予防接種の評価に資する研究:
ワクチンの品質管理を行う試験法の開発、試験法の精度管理及び有効性の検証方法
の確立のための研究を推進する。また免疫原性を改善した万能インフルエンザワクチ
ン、リバースジェネティクスを応用した第二世代ノロまたはロタウイルスワクチンな
ど新たなワクチン候補、副反応を抑えるムンプス・デングウイルスワクチン、BCG に替
わる結核ワクチン開発、エボラ出血熱に対する次世代ワクチン、ヒト T 細胞白血病ウ
イルス 1 型(HTLV-1)感染・発症予防ワクチンなどの基盤研究を推進する。
新型コロナワクチン開発の遅れに示される様に、国内におけるワクチン実用化に対
する基盤的な研究の底上げが必要で、また新規モダリティのワクチン評価に対しての
研究が必要なために増額を要求する。
尚、本研究で実施するものは、感染症法に規定されている感染症のうち、国内での
市中感染が認められている感染症を対象に、既に実用化されているワクチンの改良に
資する基盤的な研究開発である。
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