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資料1-1 令和5年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】 (67 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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③新興・再興感染症の診療・検査体制等の確保に資する研究:
ヒトに重篤な症状を引き起こす可能性のある動物由来感染症病原体(コリネバクテ
リウム・ウルセランス、既存の菌種とは異なるブルセラ属菌と Brucella Suis biovar
5 近縁菌、野兎病に近縁な Francisella 属菌、ダニ媒介性脳炎ウイルスあるいは近縁
ウイルスなど)の調査、診断・予防法、サーベイランス強化に資する研究を行う。
明らかになった新規動物由来感染症は、検査・診療体制の確保と共に、基盤となる
新たな動物由来感染症へのサーベイランスを強化するために増額を要求する。
④感染症に対する診断法、治療法の実用化に関する研究:
エボラ出血熱等の一類感染症、重篤なニパウイルス感染症、重症熱性血小板減少症
候群(SFTS)など、致死率が高く、社会・経済への影響が甚大な一類感染症等の病原
体検出法の迅速化、ワクチン開発の推進、ウイルス性出血熱の新たな治療法開発、お
よび新たに分離された病原体のよる病原性の解明等の解析等を行う。
COVID-19 対応に象徴される様に、有事対応としての感染症対応は、十分とは言い難
い。一類感染症対策の整備を加速・強化する必要があるために増額を要求する。
⑤新興・再興感染症に対する国際ネットワーク構築に資する研究:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をはじめとする国を超えて流行する感染症
の対策や薬剤耐性菌の拡散防止のため、各国 CDC 機関等との連携および情報共有ネッ
トワークの構築を推進する。また、インフルエンザ、結核、院内感染対策サーベイラ
ンス(JANIS)システムを活用した薬剤耐性菌についての情報共有ネットワーク強化
を推進する。さらにネットワークを元に、ワクチン、治療薬の開発の加速、新たな国
/地域との研究ネットワーク構築・連携等を発展させ、感染症危機管理対策の強化に
資する研究を推進する。また、感染病理分野で先進的な知見・技術を有する欧米の諸
外国との連携・協力を進めるとともに、現に感染症例を有するアジア地域を中心とし
た国々との協力を進める。
感染症は、近隣諸国を初めとする諸外国から持ち込まれる可能性が高い。既存のネ
ットワークを活かした共同研究を行うことにより、協力関係および体制の強化を図る
必要があるために増額を要求する。
(2)新規研究課題として推進するもの
①COVID-19 を含む重点感染症に関する総合的な対策に資する研究:
公衆衛生危機管理において、救命、流行の抑制、社会活動の維持等、危機への医療
的な対抗手段となる重要性の高い医薬品や医療機器等を確保することが必要な感染
症(重点感染症)に対する治療薬等の開発を推進する。重点感染症に対する医薬品等
については、平時では、その需要が限られることや発生が少ないためにその効果が十
分評価できないこと、一方で、危機発生時には突発的に莫大な需要が発生する。その
ため、重点感染症に対する医薬品等の研究開発及び確保については、民間主体の市場
原理では対応できず、研究補助による対応を要する。また、開発マイルストーンの評
価や危機発生時の緊急時使用と迅速な評価の仕組み、迅速な製造及び調達・配布オペ
レーション等の確保における科学的なエビデンスの創出についても支援を推進する。
②薬剤耐性(AMR)に対する新規治療法の開発研究:
多薬剤耐性菌の出現と増加への対応策として、平成 28 年2月に「国際的に脅威と
なる感染症対策の強化に関する基本計画」、同年4月に「薬剤耐性(AMR)対策アクシ
ョンプラン」が発出され、多剤耐性菌に対する研究体制の強化が打ち出されている。
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