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資料1-1 令和5年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】 (118 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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ることが可能となり、移植医療の予後改善が期待される。また移植後合併症、移植後再
発に対する早期バイオマーカーの創出や予防法・治療法を新規に開発・最適化すること
によって、依然として高率である合併症等により死に至る患者や QOL の低下に至る患者
が減少することが期待される。
令和6年度末までに、臨床的に実用可能なバイオマーカー等を1件以上開発する。
(2)これまでの研究成果の概要
【臓器・組織移植分野】
○臓器移植を革新する免疫プロファイリングによる個別化医療の開発
(令和3年度終了)
臓器移植の免疫関連分子の遺伝子多型の包括的解析を実施し、T 細胞、B 細胞、自
然免疫関連分子の遺伝子多型を解析し、臓器移植後の特殊な病態で優位となる免疫関
連ゲノム情報を抽出した。
○遺伝子関連情報を基軸にした効率的免疫抑制管理による革新的長期管理ロジック開
発(令和4年度終了予定)
先行研究で構築したレジストリ症例の臨床情報を収集し、解析が完了している遺伝
子多型との関連解析を行い、移植後長期予後改善にむけたデータベースを構築し、診
療指針を作成している。
○IL-6 アンプに基づいた移植腎慢性拒絶と薬剤性腎障害の早期バイオマーカーおよび
治療標的の同定のための研究(令和4年度終了予定)
移植腎慢性拒絶と薬剤性腎障害の早期バイオマーカーとして、尿エクソソーム内の
炎症アンプに関わる遺伝子を同定し、特許を取得した。
【造血幹細胞移植分野】
○非血縁者間末梢血幹細胞移植における新規慢性 GVHD 予防法と持続型 G-CSF による幹
細胞動員の開発研究(令和2年度終了)
移植片対宿主病に対する新規予防法として、少量サイモグロブリン投与、移植後シ
クロホスファミドの有用性を示した。また、健康成人を対象として、持続型 G-CSF 製
剤を用いた造血幹細胞の末梢血中への動員効果を評価する臨床試験を行った。
○マルチオミクス解析による移植後免疫再構築の解明と GVHD を予測する分子遺伝学的
バイオマーカーの開発研究(令和4年度終了予定)
移植患者の臨床検体スクリーニングから、移植後急性期におけるナイーブ B 細胞の
回復遅延が後の慢性 GVHD の発症と関連すること、移植後シクロホスファミドはこの
B 細胞新生を促進することを示した。
(3)これまでの研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
【臓器・組織移植分野】
免疫モニタリングや炎症アンプを用いたバイオマーカーを活用し、慢性拒絶反応や移
植臓器機能悪化の早期診断と治療介入を推進する。また遺伝子多型のデータベースとそ
れに基づく診療指針の作成、さらにそれらを活用する人材育成を行うことで、移植長期
予後改善につなげる。
【造血幹細胞移植分野】
GVHD の病態解明と新規予防法確立によって、特に末梢血幹細胞移植の合併症の一つ
である慢性 GVHD に伴う移植後 QOL の低下を克服する。また、持続型 G-CSF 製剤によっ
て、末梢血幹細胞採取ドナーの入院期間を短縮することによって利便性を改善する。

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