資料1-1 令和5年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】 (54 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html |
出典情報 | 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》 |
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療法の確立
②精神疾患・発達障害の早期発見・早期支援等を図るための介入プログラムの開発等に
よる精神疾患や発達障害の重症化予防等
③物質使用症や嗜癖行動症等の嗜癖性疾患の発症危険因子・重症化予測因子・高リスク
群の同定、新規治療法の開発等
④精神疾患レジストリの活用を通じた、客観的診断・治療の最適化、予後向上等に資す
るエビデンスの創出、及び精神障害分野におけるトランスレーショナルリサーチの推
進等による、精神保健医療福祉の向上に資する研究基盤の構築
⑤臨床 POC の取得件数 1件
⑥研究成果の科学誌(インパクトファクター5以上)への論文掲載 15 件
【期待されるアウトカム】
①客観的診断方法の確立と治療の最適化、心の健康づくり等に資する研究開発、依存症
の治療回復に資する研究開発、精神障害分野の研究促進におけるデータ利活用に関す
る研究構築が推進されることで、精神疾患の発症メカニズム解明、診断法、適切な治
療法の確立が促進される。
②シーズの他の統合プロジェクトや企業等への導出件数 1件
③臨床的に実用可能なバイオマーカー等の開発件数 3件
④疾患の原因となる遺伝子変異に基づく新規の診断・治療法の開発件数 2件
(2)これまでの研究成果の概要
・統合失調症患者と健常者の末梢血液からヒトリンパ芽球様細胞株を作製して、タンパ
ク質の発現変化を網羅的に解析した結果、統合失調症のバイオマーカー候補となるタ
ンパク質を複数同定した。最適な組み合わせを検証し、予測モデルから統合失調症患
者と健常者を高い精度で判別できることを可能にした(平成 31 年4月公表)
・ひきこもり者の回避状態の評価や精神疾患の除外診断が、診断を困難にさせていたが、
これらの有無を問わない独自の国際的に通用する病的な「ひきこもり(hikikomori:
pathological social withdrawal)」の診断評価基準を開発した(令和元年 12 月、
World Psychiatry に掲載)
・覚せい剤依存患者にイフェンプロジルあるいはプラセボ投与を行い、二重盲検ランダ
ム化比較試験により効果の探索的検証試験を実施した。そして治療効果検証試験(医
師主導治験)に向けたプロトコルを作成した(令和2年2月)。
・精神疾患レジストリのシステム構築を完了し、第1層(症例基本情報)、第2層(臨床
評価情報)、第3層(生体試料・情報)からなるデータ収集を開始した(令和2年7月)。
・性格による層別化が、トリプトファン、セロトニン、キヌレニンなどのうつ病血液バ
イオマーカーの識別性能を向上させることを、ヒトとマウスのクロスバリデーション
研究にて発見した(令和2年 10 月)。
・新型コロナウイルスによるパンデミック等による社会変動下に即した応急的遠隔対応
型メンタルヘルスケアの基盤システム構築と実用化促進にむけた効果検証を開始し
た(令和3年4月)。
(3)これまでの研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
・統合失調症のバイオマーカー候補となるタンパク質を複数同定し、最適な組み合わせ
を検証し、統合失調症患者の客観的診断法の開発に寄与した。
・ 国 際 的 に 通 用 す る 病 的 な 「 ひ き こ も り ( hikikomori: pathological social
withdrawal)」の診断評価基準を開発し、ひきこもりの予防や早期支援に向けた新し
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