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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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2.高齢のがん患者について
1)高齢者の定義
固形がんでは、65 歳以上、急性白血病では 60 歳以上を高齢者と定義する。
さらに、65 歳以上を次の3つに分類。ただ、暦年齢と生物学的な年齢とは異なり個人差が大きい。
① 65~75 歳 前期高齢者(老年前期)
:生理的な心身機能低下が徐々に進行する年齢層(認知症、
骨関節変形・関節痛、痩せ、咳嗽、浮腫が増加)
② 75~89 歳 後期高齢者(老年後期)
:生理的な心身機能低下が著明になる年齢層で、ADL の低
下、老年症候群(老年病、例:骨量減少による脊椎圧迫骨折、腎濃縮力低下による頻尿、失禁)
を起こしやすい。


90 歳以上 超高齢者:心身機能の低下が顕著に表れる年齢層 1)
ただ、高齢がん患者をケアするにあたっては、年齢の要素は大きいが、患者背景、がん種、治
療法や治療の侵襲度等により高齢者の定義が異なることは否めない。

2)高齢がん患者の特徴


寿命が短い:ただ、元気な人と状態の悪い人の間に 3 倍以上の生存期間に開きがある 2)。



様々な併存疾患 (comorbidity) を複数有している。



多種類の薬剤を服用している。
(polypharmacy)



生理学的な機能が低下している。
(老化現象)
脆弱性、とくに、85 歳以上で生理機能の低下による脆弱性、frailty の増加 3)4)。



認知機能に制限がある。



社会的経済的に制限がある。



なによりも個人差が極めて大きい⇒
がんに限らず高齢者ほど個別化医療が必要なものはない。

文献
1)

日本医師会.
https://www.tokyo.med.or.jp/docs/chiiki_care_guidebook/035_072_chapter02.pdf

2)

Iwamoto M et al. Estimated life expectancy and risk of death from cancer by quartiles in the
older Japanese population: 2010 vital statistics. Cancer Epidemiol. 2014; 38:511-514

3)

Eger EI 2nd. Age, minimum alveolar anesthetic concentration, and minimum alveolar
anesthetic concentration-awake. Anesth Analg. 2001; 93:947.

4)

http://www.jsn.or.jp/guideline/

2