参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (45 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html |
出典情報 | がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》 |
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がん薬物療法が可能な高齢がん患者の選択基準はあるか?
A2
がん薬物療法の適応に合理性があること。そして画一的な選択基準はないが、高齢者機能評
価を用いて健康上の問題点そして総合的な健康度を明らかにし、さらに有害事象リスクや予
後の予測をおこない、がん治療の妥当性、忍容性を評価するアプローチが最善である。
【 解説 】
がん薬物療法開始前に、年齢やパフォーマンス・ステータスなどの現在ルーチンとなっている評
価 方 法 で は 捉 え ら れ な い 高 齢 者 独 特 の 問 題 点 を 抽 出 す る た め に 高 齢 者 機 能 評 価 (Geriatric
Assessment; GA)を実施すべきである 1)。ルーチン項目の評価に加え、GA としては、身体機能、
転倒の有無、併存する重篤疾患の有無と程度、認知機能、抑うつなどの精神状態、栄養状態、ポリフ
ァーマシー、社会的活動・支援環境の評価が推奨される。さらに、化学療法の有害事象予測には、
The Cancer and Aging Research Group(CARG スコア)あるいは Chemotherapy Risk Assessment
Scale for High-Age Patients(CRASH スコア)は前向きコホート研究を基に開発されており、その利
用が推奨される。またがんを罹患していなかった際の予後を予測するには、ePrognosis というオン
ライン カリキュレーターで使用されている Lee Index や Schonberg Index が有用性の高いツール
と考えられる 1)。
文献
1)
Mohile SG et al. Practical Assessment and Management of Vulnerabilities in Older
Patients Receiving Chemotherapy: ASCO Guideline for Geriatric Oncology. J Clin Oncol.
2018; 36:2326-2347
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