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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (184 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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第8章

1.

高齢がん患者の社会・経済的サポートケア

高齢がん患者の医療費

Q1

日本の高齢がん患者に使用される医療費はどのぐらいか?

A1

2016 年度の高齢者にかかる医療費は 18.6 兆円で、循環器疾患 4.8 兆円(25.1%)につい
で新生物に 2.7 兆円(14.6%)を使用している。

【 解説 】
平成 28 年度(2016 年)の国民医療費は 42 兆 1381 億円 一人当たり 33 万 2 千円であった。 年
齢別にみると 65 歳以上が 25 兆 1584 億円で 59.7%を占めた。
さらに後期高齢者である 75 歳以上は 15 兆 3796 億円で全体の 36.5%であった。医科診療医療費
は 30 兆 1853 億円(国民医療費の 71.6%)、65 歳以上 18.6 兆円、うち 75 歳以上 11.6 兆円であり、傷
病別では、1位循環器系疾患 4.8 兆円(65 歳以上の 25.1%)、2 位新生物 2.7 兆円(同 14.6%)、3 位筋
骨格系 1.6 兆円(同 8.5%)であった 1)。
がん種別の医療費統計は公開されているものは少ない。健康保険組合連合会(主に大企業の従業
員とその家族が加入する公的医療保険)の平成 28 年度(2016 年)悪性新生物(がん)の動向に関
する調査分析

2)によると、平成

28 年度(2016 年)の 1260 組合における医療費総額は、医科+調剤で

3.3 兆円であった。そのうちがん医療費は 11.2%で、がん種別では、乳がん(14%)、大腸がん(9.9%)、
肺がん(6.8%)
、胃がん(6.4%)
、男性生殖器(3.8%)であった。
後期高齢者医療制度の財源は、全体の 5 割が公費(国:都道府県:市町村=4:1:1)で、1 割が 75 歳以
上の人口の自己負担、4 割が若年者の保険料である後期高齢者支援金でまかなわれている 3)。
2025 年には団塊の世代が 75 歳を迎え(いわゆる 2025 年問題)、そこから 5~10 年が高齢者に
費やされる医療費のピークだと考えられている。その後は、高齢者数も減少傾向になっていく。し
かし、そのときには労働人口も大きく減少しており、現在の制度で維持していけるとは考えにく
い。また医療業界でも相当な省力化が求められるはずです。

文献
1) 厚生労働省.平成 28 年度国民医療費の概況.
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/16/index.html
2) 健康保険組合連合会.平成 28 年度 悪性新生物(がん)の動向に関する調査分析.
https://www.kenporen.com/study/toukei_data
3) 厚生労働省.後期高齢者医療制度等の仕組み(1)

https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02d-26.html
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