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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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Q2-1

高齢者機能評価では、どのような項目を評価すべきか?

A2-1

①身体機能、②転倒、③併存症、④うつ、⑤認知機能、⑥栄養等を評価することを
提案する。具体的な評価ツールとして、海外のガイドラインが参考になる。

【 解説 】
前項で示したように、高齢者機能評価の実施が求められている。米国 NCCN ガイドライン 1)
では①身体機能、②認知機能、③社会的サポート、④精神状態、⑤栄養状態の項目を評価するこ
とを推奨し、ASCO ガイドライン 2)においては最低限、①身体機能、②転倒、③併存症、④うつ、
⑤認知機能、⑥栄養の評価を行うことを推奨している。
また、CARG(Cancer and Aging Research Group)スコアや CRASH(Chemotherapy Risk
Assessment Scale for High-Age Patients)スコアを用いて化学療法の副作用を予測することや、
G8 や VES-13 を用いて予後の予測に役立てることも記載されている。ASCO ガイドラインで示
されている具体的な評価法を下記に示す。
本邦では、具体的な指針が確立していないので、上記のガイドラインを参考にして、今後どのよ
うな方法で各項目の評価を行うかを考えていく必要がある。G8 または VES-13 などの簡便である
スクリーニングツールを用いる、認知機能などを重点的に行う、すでに本邦の老年医学実地診療で
行われているツールを活用するなど、介護保険の活用を視野に入れた対応を確立していくことが重
要である。

評価項目

高齢者機能評価のツール

化学療法の副作用予測

CARG スコアまたは CRASH スコア

身体機能

IADL (Instrumental Activity of Daily Living)

併存症

詳細な病歴、チャールソン併存疾患指数(CCI)
、Cumulative
Illness Rating Scale(CIRS)等

転倒

過去 6 ヶ月間の転倒回数

うつ

GDS (Geriatric Depression Scale)

認知機能

Mini-Cog または BOMC (Blessed Orientation Memory
Concentration) test

栄養

BMI (Body Mass Index)
ASCO ガイドラインより筆者改変

文献
1)

Network NCC: NCCN Guidelines 2018

2)

Mohile SG et al. Practical Assessment and Management of Vulnerabilities in Older Patients
Receiving Chemotherapy: ASCO Guideline for Geriatric Oncology.
J Clin Oncol. 2018;36:2326-2347
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