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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (208 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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Q3

80 歳以上の高齢者はどの程度がん検診を受診しているのか?

A3

80~84 歳は約 30%、85~89 歳は 18~25%がん検診を受診している。子宮頸がん・乳が
んは約 10%弱が受診している。

【 解説 】
平成 28 年度の国民生活基礎調査によれば、80~84 歳の男女の過去 1 年以内の各がん検診の受診
率はそれぞれ胃がん 30.4%、肺がん 34.1%、大腸がん 30.1%と報告されており、65~69 歳の受診
率(胃がん 38.0%、肺がん 47.0%、大腸がん 39.1%)に比べて 7.6~12.9%低い程度である。85 歳
以上でも胃がん 18.7%、肺がん 25.4%、大腸がん 18.5%とかなり高い受診率である。一方女性に限
定して行われている子宮頚がんは 80~84 歳 8.5%、85 歳以上 3.6%、乳がん 80~84 歳 10.4%、85 歳
以上 3.8%と、65~69 歳(子宮頸がん 23.3%、乳がん 27.3%)と比べてかなり低下している。
これは子宮頸がん・乳がん検診の専門性が高くかかりつけ医や人間ドックの一部で受診できないと
いう点が原因と考えられる。
がん検診受診率の高い米国では、予防サービスに対するガイドラインである USPSTF において年
齢ごとに推奨が決められているが、費用を各健康保険が負担し、対象外年齢への支払いも一部認め
られているため、対象外年齢での受診率が著しく高い。大腸がん検診では、80 歳以上の便潜血検査
受診率が 51%1)、繰り返しの大腸内視鏡検査を 32.9%2)が受けていると報告されている。
わが国では今後高齢化率のさらなる増加が見込まれ、近いうちに米国と同様、高齢者の高いがん
検診受診率になる可能性があり、その対策は急務である。

文献
1)

Schonberg MA, et al. Colon cancer screening in U.S. adults aged 65 and older according to
life expectancy and age. J Am Geriatr Soc. 2015;63:750-756

2)

JS Goodwin, et al. Overuse of screening colonoscopy in the Medicare population. Arch
Intern Med. 2011;171:1335-1343

200