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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (200 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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Q3

我が国での現状:電子デバイスを導入するための障壁・問題点は何か?

A3

高齢者の入力コンプライアンスやデータの信頼性が担保できる実施システムの構築が必
要。

【 解説 】
高齢者にとって電子デバイスへの入力は必ずしもバリアではない可能性があり、紙媒体よりも
ePRO 入力の方が簡便であったと答えた高齢者は若年層と同程度だったとする報告もある 1)。しか
し、老化による身体能力や認知機能の低下は個体差が大きいことが知られている。これらの機能低
下は、ePRO デバイス利用のコンプライアンスやデータの信頼性にも影響するため、実施前の高齢
者機能評価スクリーニング等と合わせた研究が求められる 2)。
また、在宅での ePRO デバイス入力の前提となるのが、インターネットに接続されたスマートフ
ォンやタブレット端末、パソコンなどの電子デバイスの高齢者への普及状況である。本邦における
平成 29 年度現在でのスマートフォンの普及割合 3)は、30 歳代以下は 90%以上、40 歳代で
85.5%、50 代で 72.2%あるものの、がん患者の大きな割合を占める 60 代、70 代ではそれぞれ
44.6%、18.8%とまだまだ低く、患者自身のスマートフォン(BYOD;Bring Your Own Device)
を利用するシステムの実現には大きなバリアがある。しかし、中国や韓国などではすでに 60 歳代
でも 90%以上の利用率がある現状もあり、今後我が国でも高齢者における利用率が急速に高まって
ゆくものと考えられる。

文献
1)

日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 電子化情報部会. ePRO の普及に向けて. 2016
http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/tiken/allotment/pdf/epro.pdf

2)

Caillet P et al. Optimal management of elderly cancer patients: usefulness of the
Comprehensive Geriatric Assessment. Clin Interv Aging. 2014;9:1645-1660

3)

総務省. 「平成 29 年通信利用動向調査の結果」(平成 30 年6月 22 日訂正). 2018
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000128.html

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