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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (110 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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(4)BMA 治療中の高齢がん患者の口腔処置で特に気を付けることは?
BMA 投与中に侵襲的歯科治療が必要となった場合、短期間の BMA 休薬が ONJ の発生を予防で
きるかについては、不明の点が多い。従って、BMA 投与中は、BMA による関連事象(skeletal related
events:SRE)予防というベネフィットと ONJ というリスクを考慮した選択が必要である。歯科治
療を優先する場合、侵襲を極力低減し、感染対策を行いながら治療を行う。また、BMA を休薬して
侵襲的歯科治療を行ない、早急に BMA を再開する場合は、14~21 日後

6)あるいは十分な骨性治

癒が得られる 2 ヶ月後の再投与が望まれる 7)。
(5)高齢者の ONJ の発生リスクを考慮した BMA 選択、リスクをあげる併用薬はあるか?
ソレドロン酸とデノスマブの ONJ 発生頻度は、メタアナリシスでは、大きな差を認めない(1.3%
vs 1.8%, p=0.110;表 1) 8)9)10)11)。しかし、デノスマブによる ONJ は、ゾレドロン酸による ONJ
に比べ、回復しやすい可能性がある 12)。また、BMA と併用時に注意すべき薬剤として、ベバシズ
マブなどの血管新生阻害薬やスニチニブなどのチロシンキナーゼ阻害薬が挙げられる。これら薬剤
は、骨修復に必要な破骨細胞の生存に重要な血管新生を阻害することや口腔粘膜炎を生じることに
よる ONJ の発生リスクを増加させる可能性がある 13)。これら薬剤は、高齢者においいても多く使
われており、単独でも、ONJ を発生させる他、BMA 併用時には、その頻度を増加させる点で注意
が必要である。
表1. ゾレドロン酸とデノスマブの副作用プロフィールの比較
癌種、観察期間、症例数

ゾレドロン酸

デノスマブ

有意差

乳癌、34 ヶ月、n=20338)

1.4%

2.0%

p=0.39

前立腺癌、24 ヶ月、n=18889)

0.9%

2.3%

p=0.09

1.3%

1.1%

p=1.00

上記 3 論文の統合解析、5732 例 11)

1.3%

1.8%

p=0.110

乳癌、34 ヶ月、n=20338)

8.5%

4.9%

p=0.001

前立腺癌、24 ヶ月、n=18889)

16.2%

14.7%

p=0.383

10.9%

8.3%

p=0.07

上記 3 論文の統合解析、5732 例 11)

11.8%

9.2%

p=0.001

乳癌、34 ヶ月、n=20338)

3.4%

5.5%

p=0.017

低カルシ

前立腺癌、24 ヶ月、n=18889)

6.0%

13.0%

p<0.0001

ウム

乳癌、前立腺癌以外の進行癌、多発性

血症

骨髄腫、30 ヶ月、1776 例 10)

1.0%

2.3%

p=0.039

5.0%

9.6%

p<0.001

顎骨壊死

乳癌、前立腺癌以外の進行癌、多発性
骨髄腫、30 ヶ月、1776 例 10)

腎機能
障害

乳癌、前立腺癌以外の進行癌、多発性
骨髄腫、30 ヶ月、1776 例 10)

上記 3 論文の統合解析、5732 例 11)
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