参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (140 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html |
出典情報 | がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》 |
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年齢により手術成績は異なるか?
A4
年齢にかかわらず、がんに関連した長期生存は同じである。
【 解説 】
高齢、非高齢にかかわらず大半の固形がんにおいては外科的切除が治療第一選択肢である。がん
に関連した生存率は年齢により大きな差はなく、非劣性が証明されている。ただ、高齢者は寿命が
短いので、がん種にかかわらず全体の生存期間は非高齢者に比べ短い 1)。
これは fit 例に認められ、脆弱な患者では侵襲の大きな根治術では、手術合併症や術死のため生存
に悪影響をおよぼす。たとえば大腸イレウス症状で発症した大腸がんの緊急手術は非高齢者の 3 倍
の手術死亡率が報告されている 2)。まずストーマ形成あるいはステント挿入により、腸管内の減圧、
栄養・貧血、電解質バランスの改善をはかった後、腫瘍摘出術を行うことが薦められる。
文献
1)
Kaibori M et al. Impact of Advanced Age on Survival in Patients Undergoing Resection of
Hepatocellular Carcinoma: Report of a Japanese Nationwide Survey. Ann Surg. 2017 Sep
15
2)
Rockwood K et al. One-year outcome of elderly and young patients admitted to intensive
care units. Crit Care Med. 1993;21:687-691
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