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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (30 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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Q3

高齢者機能評価の結果を参考に、どのような介入を行うべきか?

A3

特定された問題に対して、下記のような重要性の高い項目を中心に多職種チームで介入
する。その手段として、介護保険の活用を積極的に考慮する。

【 解説 】
ASCO ガイドライン 1)では、GA の結果を用いて有害事象リスクを考慮し、治療計画を立案する
こと、生活機能障害の諸問題を拾い上げ、介入を行うことを推奨している。 治療計画を提案する際、
これらの情報を患者や介護者に提供し共有すべきである。具体的に例示されている介入法を以下に
示す。
特定された問題
身体機能、転倒

問題に関する介入法
◆ 理学療法士、作業療法士により、筋力アップやバランストレーニング、
家庭での運動プログラムを作成し行う。
◆ 転倒防止や在宅で過ごす際の安全性などについて相談する。

併存症、多剤内服

◆ 治療のリスク評価や併存症の管理に家族や介護者の参加を促す。
◆ 治療方針決定や併存症管理をかかりつけ医や老年医と共同で行う。
◆ 薬剤師を交え、服薬中の薬剤をすべて確認し、薬剤数を適切に減らし、
服薬アドヒアランスを向上させる。

認知機能

◆ 意思決定能力や同意能力を評価する。
◆ 代理人を選定し治療方針決定に参加を促す。患者/家族に対し、せん妄
のリスクについてカウンセリングを行う。
◆ せん妄のリスクのある薬剤をできるだけ減らし、老年医や認知症の専門
家へ紹介する。

うつ

◆ 必要に応じて、心理士や精神科へ紹介し認知行動療法や薬物療法、ソー
シャルワーカーの介入などを考慮する。

栄養

◆ 栄養士によるカウンセリングを行い、食事の準備に支援が必要か否かを
評価する。状況に応じたサポートを行う。
ASCO ガイドラインより筆者改変

本邦では、GA を行い脆弱が疑われた場合、適切な支援を開始するために、介護保険を申請し介護
保険を活用することが現実的であろう。そのため、介護保険の申請状況を再確認し、適宜区分変更
を含めて担当ケアマネージャーとの調整が重要となってくる。また、家族など、同居者の生活状況
も把握して、包括的な対応も必要である。
文献
1)

Mohile SG et al. Practical Assessment and Management of Vulnerabilities in Older Patients
Receiving Chemotherapy: ASCO Guideline for Geriatric Oncology. J Clin Oncol.
2018;36:2326-2347
22