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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (151 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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第 6 章 低侵襲治療(IVR と内視鏡治療)総論

1.IVR 治療
Q1

高齢者に可能な IVR や内視鏡治療にはどのようなものがあるか?

A1

抗がん治療としては、血管からのアプローチによる動注化学塞栓術、動注化学療法、腫
瘍を穿刺して焼灼あるいは凍結により腫瘍を死滅させる経皮的ラジオ波焼灼療法、経皮
的凍結療法、内視鏡により消化管のがんを切除する粘膜切除術、粘膜下層切除術などが
ある。抗がん治療以外では、膿瘍を含む貯留体腔液に対するドレナージ、難治性腹水貯
留に対するシャント術、消化管、胆管、尿管、気管、大静脈など各種管腔臓器狭窄の狭
窄や閉塞に対するドレナージ、狭窄部の拡張術、ステント留置術、有痛性椎体転移に対
する経皮的骨セメント充填術、消化管閉塞に対する瘻孔造設術、出血に対する血管塞栓
術、難治性上腹部疼痛に対する腹腔神経ブロック、生検などがある。IVR や内視鏡治療
の最大の利点は低侵襲性であり、原則として年齢による適応制限はない。

【 解説 】
IVR、内視鏡で可能な治療は極めて多岐にわたる 1)が(表1)、いずれの治療も高齢を理由に適
応が制限されることはない。しかし、少ないとはいえ侵襲を伴う観血的治療ではあることに変わり
はなく、当該治療に関わる心肺機能、肝機能、腎機能、血液凝固能等などの臓器機能がある程度保
持されていることが必要である。
IVR や内視鏡治療の利点としては、①一般に局所麻酔あるいは一時的な鎮痛剤、鎮静剤投与で施
行され、体表面に切開等を加える場合にも外科手術に比べ遥かに小さいため侵襲が少ないこと、②
治療後の早期離床が可能であること、③一般に効果発現までの時間が短いこと、の3点が挙げられ
る。欠点としては、①覚醒あるいは半覚醒で行われるため、治療中の患者の協力が必要であること、
②技術的要因から、可能な治療が施設や術者により異なり均てん化されていないこと、の2点が挙
げられる。なお、各種 IVR 治療が可能な国内の施設については、日本 IVR 学会の HP に掲載 9)され
ている。

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