参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (131 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html |
出典情報 | がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》 |
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高齢者の輸液で気をつける点は何か?
A3
水分投与量、電解質投与量である。
【 解説 】
身体全体の水分量が一般成人は 60%であるのに対し、高齢者では 55%程度に低下するとされて
いる。一方細胞外液量は一般成人では 20%に対し高齢者は 25%であり、差し引きの細胞内液量は一
般成人 40%対高齢者 30%で、細胞内脱水に陥りやすい傾向がある。従って輸液実施時の安全許容範
囲が狭くなる 1)。
また高齢者では腎機能および心機能が低下しており、一日水分投与量は一般的に 30~40mL/kg と
されているが、輸液時は尿量を確認しながら体液貯留に留意する必要がある。
電解質維持量は一般的に Na 1~2mEq/kg/日、K 0.5~1 mEq/kg/日とされている 2)。高齢者では
加齢による腎血流量低下と共に濃縮能、希釈能も低下するために電解質異常が起こりやすいことに
留意する。
なお輸液で栄養分を補充する必要がある場合には、日本静脈経腸栄養学会が作成した静脈経腸栄
養ガイドライン 3)を参照されたい。
また高齢者においては持続点滴すること自体が不安感を増強させ、夜間等にせん忘を来たし点滴
抜去が起こりうることも留意しておきたい。
文献
1)
飯野靖彦. 一目でわかる輸液.第 3 版.東京.メディカルサイエンスインターナショナル;
2013.16-17.78-79.
2)
丸山一男. 手術期輸液の考え方―何を・どれだけ・どの速さ.東京.南江堂;2005.121-124
3)
日本静脈経腸栄養学会. 静脈経腸栄養ガイドライン.第 3 版.東京.
照林社;2013.385-392
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