参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (139 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html |
出典情報 | がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》 |
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手術合併症を予測する因子は何か?
A3-1
緊急手術は年齢とともに合併症率、術死が増加する。
【 解説 】
緊急手術後の合併症は年齢とともに増加し、非高齢者に比し 3 倍にのぼる
1)2)。したがってでき
るだけ待機的・選択的手術を心がける。
文献
1)
Audisio RA et al. Elective surgery for gastrointestinal tumours in the elderly. Ann
Oncol. 1997;8:317-326
2)
Wakabayashi H et al. Validation of risk assessment scoring systems for an audit
of elective surgery for gastrointestinalcancer in elderly patients: an audit. Int J Surg.
2007;5:323-327
A3-2
低栄養。術前の栄養状態のアセスメントは、手術合併症、予後の予測に有用である。
【 解説 】
高齢者は潜在的に低栄養状態であり、術後の合併症率が非高齢者に比べ高い。簡単な栄養状態を
把握するツールとしては MNA があり、検査では血清アルブミン、prealbumin(transthyretin)が
栄養状態を反映する。高齢者には糖尿病合併が多く、創傷治癒はコントロールの悪い糖尿病患者で
遅延し、栄養障害はさらにそれを助長する 1)2)。
対策としては栄養状態の悪い患者には経腸栄養や TPN を行う。アルブミン製剤の輸注はアミノ酸
の供給源としては極めて効率が悪く、術後の合併症の改善にはつながらない。
経口あるいは栄養チューブで、胃腸を使っての栄養管理は、神経障害や安定剤を服用している高
齢者には誤嚥性肺炎の危険性が高まるので、頻繁な観察を要する。
文献
1)
Mosquera C et al. Impact of malnutrition on gastrointestinal surgical patients. J Surg Res.
2016;205:95-101
2)
Schiesser M et al. Assessment of a novel screening score for nutritional
complications in gastro-intestinal surgery. Clin Nutr. 2008;27:565-570
131
risk in predicting