参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (193 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html |
出典情報 | がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
介護保険の被保険者が介護サービスを利用するためには、介護の必要性の有無やその程度などにつ
いての認定(要介護認定・要支援認定)を保険者である市町村から受ける必要がある。主治医意見書
は、要介護認定・要支援認定にあたり、主治医の意見を市町村等に置かれる保健・医療・福祉の学識
経験者から構成される介護認定審査会に提出されるものである。被保険者からの要介護認定の申請に
基づき、市町村は申請者の「身体上又は精神上の障害(生活機能低下)の原因である疾病又は負傷の
状況等」について、主治医から意見を求めることとされており、その書式は全国で一律のものが使用
されている。要介護認定の結果によって、申請者が介護保険によるサービスを利用できるかどうか、
また利用できる場合には在宅サービスの上限や施設に支払われる報酬が決定され、介護サービス計画
作成の際にも活用されることになるため、適正でわかりやすい意見書の記載が求められる。
市町村や都道府県において医師会などで主治医意見書記入のための講習会が行われており、最近
の介護保険をめぐる状況や、要介護認定・要支援認定の現状、主治医意見書記入のポイントなどが
実例とともに提示される。主治医意見書を記入する役割のある医師には参加が望まれる。
主治医意見書作成のポイントをいくつか提示する。
・記載は読みやすい文字で、略語や高度に専門的や用語を用いないで平易な言葉を使用する
・治療経過や治療内容だけでなく、病状の経過や今後の見通し、想定されるリスクなど、介護サー
ビス計画作成の参考になる情報を記載する
・生活者の視点での支障や、本人・家族の気持ちがわかる記載も参考になる
・診断名
現在罹患している傷病の診断名を記載する。65 歳以上の第 1 号被保険者については、生活機能低
下の直接の原因となっている傷病名を、40 歳以上 65 歳未満の第 2 号被保険者については、介護
を必要とさせている生活機能低下などの直接の原因となっている特定疾患病名(がん、間接リウ
マチ、筋萎縮性側索硬化症などの 16 疾病のいずれか)を記入する。なお、従来「末期がん」の記
載が必要とされていたが、要介護認定において記入しづらく利用が進まない指摘がなされたこと
や、心身の状況に応じて、迅速に介護サービスの提供が必要となる場合があることから、
「末期」
の記載が削除され、特定疾患病名としては、「がん(医師が一般に認められている医学的知見に
基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)」と変更された。(2019 年 2 月
19 日)
・経過および投薬内容を含む治療内容
生活機能低下の直接の原因となっている傷病または特定疾病の経過や投薬内容を含む治療内容に
ついての要点を簡潔に記入する。生活機能の背景として医療・療養面の問題点だけでなく、転倒
や入院などを契機とした生活の変化、外出機会の減少、配偶者との死別や転居などの社会的背景
の変化、意識障害や認知機能の低下などがあれば併せて記載する。
・日常生活の自立度
障害高齢者の日常生活自立度および認知症高齢者の日常生活自立度について、判定基準を参考に
記載する。
185