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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (55 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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が必要と考えられている。摂食量に影響する症状がある場合は症状への緩和ケアを行いながら経口・
経腸ルートを第一選択として支援を行う

1)8)。また、ホルモン療法など治療による脂質異常症や肥

満、ステロイド糖尿病などの医原的な代謝異常の管理も必要となる場合がある。
2. 終末期の栄養管理
・積極的な栄養投与は、浮腫、胸水、腹水、気道分泌の増加を招き状態を悪化させることがある。全
身状態や身体活動を正しく評価し、多職種で情報を共有したうえで、患者・家族の意向を優先し、
栄養管理方法を決定する。
・高齢者の人工的水分・栄養補給法の導入・減量・中止においては、その必要性、QOL への影響、
倫理的問題などを、多職種でよく検討し決定する。
【 解説 】
終末期では、栄養状態の改善は困難であり、むしろ症状や精神面への支援に重きをおき、QOL を
優先した栄養管理も検討していくことが望ましい

8)9)。経口摂取量の低下に対し輸液を行うことが

多いが、積極的な栄養投与は、かえって浮腫、胸水、腹水、気道分泌の増加を招き状態を悪化させる
ことがある。この時期の安静時のエネルギー消費量は基礎代謝量の 86.9±7.6%まで減少していると
いう報告もあり 10)、経口量減少によるリスクより、過剰投与によるリスクの方が大きいと考えられ
ている 11)。また、家族の食べることへの執着が患者にとっては負担となることがあり、患者のみで
なく家族の不安や無力感、自責の念等への心理的なケアも重要である。また、人工的水分・栄養補給
法の導入や、導入後の減量・中止について、多くのガイドラインがその適応やプロセスについて取
り上げている。日本老年医学会でも、患者・家族等皆がともに納得できる意思決定のプロセスとい
のちの考え方の指針のもとに、適切な意思決定をすることが推奨されている 12)。その際、高齢者の
認知症の存在は大きな課題となっているが、がん患者においても同様である。

文献
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2)

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