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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (177 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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ても嬉しそうに見えない)
、思考能力や反応速度の低下 3)。
うつ病の鑑別には、下記の疾患や状態があげられ、血液検査、画像検査などが必要である。
1.1 身体疾患/身体状態
•身体症状の緩和が不十分(例:痛み、嘔気)
•内分泌疾患(例:甲状腺機能異常、副腎不全)
•貧血
•栄養障害(ビタミン B1,B3、B12、葉酸欠乏症)
•電解質異常(Na、K、Ca、Mg)
•がん関連倦怠感
•その他の消耗性疾患(例:心不全、肝不全)
1.2 薬剤性
・ステロイド、インターフェロン、ベータ拮抗薬
•ケモブレイン
1.3 脳器質性疾患
•脳腫瘍、脳転移(特に前頭葉病変に伴うアパシー)
•がん性髄膜炎
•腫瘍随伴症候群
1.4 その他の神経疾患(例:パーキンソン病、多発性硬化症、HIV 脳炎、脳血管障害)
1.5 認知症、せん妄
1.6 その他の精神疾患
•アルコール使用障害
•死別反応
•Demoralization syndrome

など

A6-2
うつ病はしばしば見落とされていることが指摘されており、プライマリーケア医療従事者がうつ病
の簡易評価(スクリーニング)をルーチンで行うことが国際的に推奨されている 4)。定期的な実施が
理想であるが、実行可能性が低いので、治療の転機の場面(例:緩和ケアへの移行時期)で実施する
ことが現実的と考えられている。
スクリーニングツールは複数ある。米国 US Preventive Services Task Force は、以下の 2 つの質
問のいずれかが該当すればより詳細なうつ病の評価に進むことを推奨している 5)。この 2 質問法の陽
性的中率(PPV)は 57%、陰性的中率(NPV)は 98%であり、いずれか一方を尋ねるだけでも、前者で
PPV=44%、NPV=94%、後者で PPV=48%、NPV=97%と報告されている 6)。
スクリーニングツール
① 2 質問法
・最近 2 週間、ずっと気分が沈んだり、憂鬱であったり、絶望的な気持ちであったりしましたか?
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