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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (88 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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リハビリテーションチームの各職種による診察や評価をもとに問題点を抽出・分析し、その結果
をカンファレンスで提示し、ゴール設定(機能予後・ADL・転帰先・期間)と治療の方針が決定さ
れる。それにもとづいて、リハビリテーションプログラム、リハビリテーション処方が作成され、リ
ハビリテーション医療が提供される。リハビリテーション治療の成果は病棟や在宅での実際の ADL
の改善の程度で評価する。
日々のカンファレンスを通じてリハビリテーション処方は更新される。このプロセスが繰り返さ
れて長期目標に向かっていく。また、自宅復帰や社会復帰にあたっては、医療ソーシャルワーカー
と協働して支援が行われる。
身体機能や ADL 改善、QOL の向上を目指してリハビリテーション診療を行うということは、が
ん以外の患者となんら変らないが、がん患者では、原疾患の進行にともなう機能障害の増悪、二次
的障害、生命予後等に配慮が必要である。入院中・外来を問わず、がん治療がリハビリテーション治
療に平行して行われることも多く、その副作用でリハビリテーション治療が中断したり、当初のプ
ログラムが病状の進行により変更されたりすることも多いので、治療担当科の医師、病棟・外来ス
タッフとリハビリテーション科スタッフはカンファレンス(キャンサーボード)などを通じて、緊
密にコミュニケーションをとっていくようにする。がん医療に携わるリハビリテーション専門職は、
治療のスケジュールをある程度把握し、治療にともなう安静度や容態の変化、生じうる症状や障害
をある程度予測しながら、リハビリテーションプログラムを考えていく必要がある。
7-2.リスク管理
リハビリテーション治療を進める上で、患者の自覚症状、全身状態、がんの進行度、がん治療の
経過について把握し、リスク管理を行う必要がある。表 2 はがん患者が安全にリハビリテーショ
ン治療を行えるかどうかの目安である 41)。これらの所見をすべてクリアしていなくとも必要な訓
練は継続するが、全身状態の観察を注意深く行い、問題のあるときには躊躇せず中断する。

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