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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (137 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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Q1-2

根治手術が可能な高齢がん患者の選択の基準はあるか?

A1-2

PS が良く高齢者総合機能評価(comprehensive geriatric assessment: CGA)での身体機
能評価、精神心理学的評価や認知機能評価での包括的評価で問題ないとされる症例が選
択される。

【 解説 】
高齢者の身体機能は個人差が大きく、年齢のみを理由に手術の適応を無と判断することは難し
い。高齢者がん手術適応は各臓器術式での各論を参照いただきたい。高齢者がん手術は非高齢者手
術と比較して術後合併症、術後入院期間や術後死亡などのリスクが高いとされており、外科治療を
行う上では術前のリスクをできるだけ正確に評価することが必要である。従来から performance
status (PS)をはじめ、いくつかの術前評価法が用いられているが、高齢者の多様性を考慮した術前
評価の確立が求められている。高齢者の個人差や多様性を捉える方法として、老年医学領域では高
齢者総合機能評価(comprehensive geriatric assessment: CGA)が広く用いられている。これは身体
機能評価、精神心理学的評価や認知機能評価を包括的に組み合わせた生活機能障害を総合的に評価
する手法であり日本人の高齢者評価の計測尺度を開発・検証し、がん薬物療法・緩和医療・がん手
術への応用を検討するものである。現段階では術前の CGA(表 2)が術後せん妄を含めた術後合
併症や在院日数のみならず、術後の予後予測にも有用であり、手術適応や術式の選択などの治療戦
略の決定にも有用であるとする報告がされている 1)2)が、本邦での高齢者がん手術に最も適した
CGA の選定や術前評価結果に基づく介入法の検討などが高齢者がんの手術適応を正確に評価する
ためには必要である。

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