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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (185 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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Q2

高齢者がん医療の経済的側面を検討するにあたって必要かつ利用可能なデータベース
はあるか?

A2

ナショナルレセプトデーターベース、DPC 調査データがあるが不完全である。

【 解説 】
社会的アンメットニーズを明らかにして新しい制度や社会を構築していくためには、現状の正確
な把握と、将来の予測が必要になってくる。そのためには医療ビッグデータが必要となってくる。
医療情報は現状でも、レセプトや特定健診などの情報を集積するナショナルレセプトデーターベー
スや、DPC 調査データがあるが、たとえば上記のように、保険者が分立しているためがん種別の医
療費統計は簡単には取得できないなど不完全である。また、投薬・検査・治療といった診療情報は患
者が受診した医療機関が別々に保有していて、個人情報保護の観点からも第三者に情報を提供する
ことは想定されていない。次世代医療基盤法「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情
報に関する法律」が 2018 年 5 月 11 日に施行された。同法は、国に認定された民間事業者が複数の
医療機関から患者の診療情報の提供を受け、本人を特定できない状態に加工した上で、研究機関や
企業に提供することができるようにするものである。
これによって、医療情報だけでなく、検診情報、介護情報、死亡情報そして生活情報など重要なフ
ァクターが加わった日本人の医療ビッグデータが構築可能となる。このような膨大なデータの解析
は、人工知能(AI)が最も得意とするところであり数年前では予想もできなかった短時間での解析
が可能となっている。提供された医療・介護サービスや医薬品の費用対効果が適切に行われ、将来
のヒト・モノ・カネの需要供給動向を予測し、国民の健康維持政策に反映されることが期待される。

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