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参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (71 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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5. 痛み
Q1

高齢者と非高齢者で痛みの閾値に違いがあるか?

A1

十分なエビデンスはないが、高齢者と非高齢者で痛みの閾値が異なる可能性がある。

【 解説 】
EL Tumi H らはメタアナリシスを用いたシステマティックレビューで、エビデンスは十分では
ないが、健常の高齢者は機械的刺激による疼痛を非高齢者に比較し感じやすいが、熱刺激による疼
痛は非高齢者と変わりがないと報告している 1)。Kemp J らは、加齢により有髄の Aδ 繊維の伝達
速度や振幅は低下するが、無髄の C 繊維では加齢による変化は見られなかったと報告している 2)
疼痛の種類によって閾値が異なる理由とみなされる。
一方、Cataldo JK らは高齢のがん患者は非高齢者のがん患者に比較し、痛みの強さを同程度に
感じていたが、有意差を持って痛みの辛さは少なく感じていると報告している 3)。
生理学的な変化のみではなく、痛みの捉え方など、心理社会的な面からの影響が考えられる。

文献
1)

EL Tumi H et al. Age-related changes in pain sensitivity in healthy humans:A systematic
review with meta-analysis. Eur J Pain. 2017;21:955-964

2)

Kemp J et al. Differences in age-related effects on myelinated and unmyelinated peripheral
fibres a sensitivity and evoked potentials study. Eur J Pain. 2014;18:482-488

3)

Cataldo JK et al. Differences in the symptom experience of older versus younger oncology
outpatients a cross-sectional study. BMC Cancer. 2013;13:6

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