参考資料14 高齢者がん医療Q&A総論(厚生労働科学研究「高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究」) (32 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html |
出典情報 | がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
高齢者がん患者の画像検査の実施にあたって、その留意点は?
A2
検査の侵襲性を下げること、患者の心身状態・併存疾患に配慮すること。
【解説】
高齢者は若年者と比較して検査自体の負担が大きいため、できる限り非侵襲的な検査を選択する
必要がある。より低侵襲なモダリティ選択、検査時間をなるべく短くする撮影プロトコルの選択、
必要最低限の撮影範囲の吟味、等が重要である。
高齢者は腎機能,肝機能などの生理機能が低下していることが多く 1) ,医薬品の副作用が発現し
やすい傾向があることから,CT 造影剤の添付文書にも慎重に投与するよう記載されている 2) 。ま
た,造影剤投与前後での腎機能の慎重な観察が必要である。また、血清クレアチニン値は腎機能障
害の指標として広く用いられるが、年齢、筋肉、性別などにより変動するため、高齢者では血清ク
レアチニン値が正常でも、実際には糸球体濾過値(GFR)が低下 している場合がある。
MRI 検査は一般的に CT 検査よりも検査時間が長く、腰痛等により同一姿勢の長時間保持が難し
い高齢者も多い。検査中の体動により画質が劣化すると診断能が下がるため、患者が耐えうる検査
時間・姿勢も含めて検査モダリティ・プロトコルを決定する必要がある。
高齢者は併存疾患が多いため、がんの術前検査であっても、重要な偶発疾患が発見されることが
あるため、画像の読影に際しては、目的外の部位にも細心の注意を払う必要がある。
文献
1) Simona Detrenis et al. Contrast Medium Administration in the Elderly Patient: Is
Advancing Age an Independent Risk Factor for Contrast Nephropathy after Angiographic
Procedures? J Vasc Interv Radiol 2007; 18:177–185
https://www.jvir.org/article/S1051-0443(06)00035-2/pdf
2) http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/7219412G1030_2_11
24