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提案書05(0802頁~0998頁)医療技術評価・再評価提案書 (113 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

268101
難病患者治療継続生活指導管理料
日本神経治療学会

主たる診療科(1つ)

提案される医療
技術が関係する
診療科

12神経内科
リストから選択

関連する診療科(2つまで)

リストから選択

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
「実績あり」の 度)
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
難病患者治療継続生活指導管理料
載する
追加のエビデンスの有無

提案される医療技術の概要
(200字以内)

対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

文字数: 300


令和4年度



別に厚生労働大臣が定める疾患(現時点では多発性硬化症を想定)を有するもののなかで再発抑制/進行抑制を目的として
別に定める治療薬の開始が予定、あるいは現に開始継続されており、その開始、継続に生活の視点からの看護介入が必要な
患者に対して、医師の指示に基づき看護師がその治療開始、継続および生活の維持・向上のために必要な指導を個別に実施
する。

多発性硬化症
治療の進歩は多発性硬化症の治療目標を療養的性格からQOLの維持向上、社会参画へと変化させた。一方、根治は困難で再
発/進行性という疾患特性のため患者は将来に不安を抱きながら疾患の変化に合わせて生活の再構築を繰り返さねばならな
い。人生経験も短く生活基盤の薄い若い世代に発症することが特徴のため、長期に亘り様々な場面でQOLの低下を招き易
い。薬物治療の継続が重要だが心理的、社会的、経済的な継続への阻害要因は多い。医療者による患者環境の理解と生活へ
の助言、支援がQOLの維持向上と治療継続に欠かせない。生活支援は看護師の重要な役割であるが外来看護の評価が低い現
状では医療機関は看護配置に積極的になりにくい。

【評価項目】

①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

再発抑制/進行抑制を目的として別に定める治療薬(疾患修飾薬)の開始が予定、あるいは現に継続しており、その開始、
継続に生活の視点からの看護介入が必要と判断された多発性硬化症患者(適用すべき疾患/治療の範囲は適宜に考慮・拡大
されるべきと考えている)

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

医師の指示に基づき看護師(要件は別に規定)がその治療開始/継続および生活の維持・向上のために必要な指導を個別に
行った場合に、患者1人につき月1回(初回の指導を行った月にあっては、月2回)に限り算定する。十分なプライバシー
保護を保証できる個室環境を確保し、1回の指導時間は少なくとも30分を超えるものとする。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)



番号

001-7

医療技術名

難病外来指導管理料

既存の治療法・検査法等の内容

入院中の患者以外の患者であって別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とするものに対して、計画的な医学管理を継続して
行い、かつ、治療計画に基づき療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定する。難病一般の特性を念頭においた
指導内容で医師による指導が原則であり、また、難病外来指導管理料は疾患修飾薬の使用が一般的ではない時期から難病患
者に対して実施されてきた医療技術である。疾患の予後改善のために重要な疾患修飾薬の使用/継続に関わる生活の視点か
らの難病に精通した看護師による時間をかけた継続的な指導は別途に必要である。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果

多発性硬化症患者の生活、就労に関する調査は行われているが、得られた情報を治療継続のための生活支援という視点から
個別の患者の生活支援に還元できてきたとは言えない。提案技術の保険収載により難病医療に精通した看護師による当該患
者さんの治療継続、生活の質の向上、社会参画の維持拡大が期待され、患者さんのメリットは勿論、患者さんの社会貢献は
国民の利益にも繋がる。さらに外来診療の質の向上、効率化、医師の働き方改革への好影響も期待される。

多発性硬化症(MS)患者に対し2017年11月~2020年9月の期間に66名、延べ約350回の看護外来が実施され、1)主治医からの
評価;「新たな情報が得られ治療遂行に有意義だった」「不十分だった情報が得られた」「患者の変化や生活の質の向上が
見られた」「自身の外来診療の効率が向上した」2)看護外来担当からの評価:「疾患、社会生活、自己実現などに関する
問題があり、看護介入により、症状に対応できる、仕事の継続への自信を得た、就職を決めた、夢の実現準備を始めた等の
結果が得られた」3)患者の評価;「医師に伝えられない病気関連の問題を相談できる」「前向きになれた」などの成果が
報告された(在宅と難病ケア、2019年11号、pp9-11;在宅と難病ケア、2021年6号、pp47-50)。
一般的な外来でのケアを受けたMS患者に比べてMSの経験知識の豊富な看護師による外来ケアを受けたMS患者の方が、抑うつ
症状や不安症状が有意に改善した(RCT)。抑うつ症状はMS患者のQOLに大きく影響することは広く知られており専門的介入
がMS患者のQOLを改善する事が強く示唆された(BMG Neurology, 2022; 22: 275)。
1b

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

ガイドライン等での位置づけ

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

914

MS患者のケアにおけるMS専門看護師の役割の重要性はNICEガイド
ラインで指摘された(NICEガイドライン220,2022)。多発性硬化
症(MS)患者での生活の質(QOL)の検討結果を利用し、QOLに影
響する要因に関連した患者の現状を評価し、そこに介入・支援す
ることでQOLの維持・向上に生かすことが推奨されている(多発性
硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017、日本神経学会)。
臨床上重要な課題として「多発性硬化症患者への生活に視点をお
いた継続的な看護外来は有効か」がクリニカルクエスチョン(CQ)
として設定され2024年に日本神経治療学会から発行予定(神経疾
患領域の緩和ケアガイドライン(仮))