提案書05(0802頁~0998頁)医療技術評価・再評価提案書 (82 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
266101
血清コレスタノール測定(血液)
日本神経学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
12神経内科
01内科
関連する診療科(2つまで)
22小児科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
血清コレスタノール測定(血液)
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する
有
令和4年度
追加のエビデンスの有無
無
提案される医療技術の概要
(200字以内)
脳腱黄色腫症患者及びその疑いがある患者に対して行う、診断ならびに治療効果判定のための血清中コレスタノールについ
ての血液生化学検査。
なお、検査にはガスクロマトグラフ分析法(GC法)もしくは液体クロマトグラフタンデム質量分析法(LC-MS/MS法)を用い
る。
文字数: 128
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
文字数: 294
脳腱黄色腫症(cerebrotendinous xanthomatosis:CTX)
脳腱黄色腫症(CTX)は常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)疾患で、知能低下、錐体路症状、小脳症状等の進行性神経障害や腱
黄色腫、白内障等を呈する。致死的かつ不可逆的な疾患であるが、適切な治療により発症及び症状の進行を防ぐことができ
る。
従って、早期に診断・鑑別し治療を開始すべきであり、本検査はその診断に極めて有用である。またCTXは指定難病であ
り、本検査は厚生労働省が定める診断基準の必須項目のため、早期収載が必要と考えられる。
「CTX診療ガイドライン」では、CDCA補充療法が記載されており、現在CTXの治療薬(CDCA製剤)の第Ⅲ相試験が最終登録被
験者の治療期の観察が終了した段階にある。
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
CTX患者、または上記症状のいずれかを呈しCTXの診断・鑑別を要する患者
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
採取した血液を遠心分離して得た血清について、コレスタノールをGC法もしくはLC-MS/MS法により測定する。
治療効果の判定の指標になるため、最低年1回、治療薬変更後はより頻回に検査すること、および生涯にわたりモニタリン
グすることが推奨される。
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
区分
D
番号
なし
医療技術名
なし
既存の治療法・検査法等の内容
なし
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
研究結果
「脳腱黄色腫症診療ガイドライン2018」(2018年:日本神経学会)(参考文献1)において当該検査は診断時の必須項目で
あり、確定診断後の治療効果判定の指標とされている。
本検査により早期診断を下すことができれば、CDCA製剤による早期治療が開始できる。これにより発症及び症状の進行を防
止することができ、健常人と同様に日常生活を送りうる。
また、治療薬の奏効状況および用量変更の必要性に関しても重要な情報が得られる。
CTXは、CYP27A1遺伝子異常による先天性胆汁酸代謝異常症である。CYP27A1活性が障害されると、一次胆汁酸CDCAの合成経
路が障害され、コレスタノールや胆汁アルコールの産生が亢進する。さらに、CDCAによる胆汁酸合成経路のネガティブ
フィードバック作用が機能しないことから、コレスタノール産生がさらに助長される。CTX患者の血清コレスタノール濃度
は著しく高値を呈し、コレスタノールが各種臓器に蓄積することにより各種症状が生じるものと考えられている。
しかし、CDCA補充療法により、血清コレスタノール濃度は著減し、代謝の正常化、症状の進行抑制、一部の症状の改善が期
待される(Berginer VM,et al.(参考文献2)、Kuriyama M,et al.(参考文献3)など)。
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
4
ガイドライン等での位置づけ
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
883
「脳腱黄色腫症診療ガイドライン2018(日本神経学会)」で、
CTXの診断において、必須の検査項目とされている。また、確定
診断後のフォローアップの指針において、治療効果判定の指標と
して最低年1回、治療薬変更後はより頻回に検査することが推奨
されている。