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提案書05(0802頁~0998頁)医療技術評価・再評価提案書 (134 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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③再評価の根
拠・有効性

・ADVANCE試験:冠動脈CTによる治療方針では、約58%で追加の検査が必要と判断されたが、FFRCTを追加することで、63%の治療方針が変更され、
そのうち追加検査が必要と判断されたうち、約70%は追加の検査不要で、薬物治療での経過観察となった。FFRCTを追加することで全体として約
64%が薬物治療での経過観察となった。FFRCT陰性群の90日間の心血管イベントはなかった。(参考文献1)
・本邦でFFRCTを施行した254例の解析では、FFRCTを診断に用いることにより、侵襲的冠動脈造影(以下ICA)と比較して、1年間で32%のコストダ
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 ウンが得られ、19%心血管イベントが抑制されると推測された。(参考文献2)
後等のアウトカム
・FFRCTが保険適応で導入された後、実臨床下においてFFRCTの診断能、経済コスト、予後などについて検討したDYNAMIC-FFRCT studyの結果、
FFRCTが無かった場合にICAを選択していたと仮定された患者232例において、35.3%の患者でFFRCTを施行することで不必要な侵襲的冠動脈造影
(ICA)を回避できた。(藤本進一郎ら、「日本における FFRCT保険償還後の診療実態に与える影響について、DYNAMIC-FFRCT研究」、第30回日本
心血管インターベンション治療学会 Late Breaking Clinical trial-1にて発表)

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

2020年4月の診療報酬改定により施設基準で合致する施設は全国で128施設、2022年4月の診療報酬改定による施設基準の緩和で約260施設が検査可
能な施設となった。なお、2022年12月末現在で保険診療下での検査を実施しているのは、145施設である。
2022年1月~12月の1年間の総解析数は、企業からの報告によると、約6,000件であった。2021年における冠動脈CTの総件数は、日本循環器学会の
2021年度循環器疾患診療実態調査報告書(JROAD)によると1,476施設において464,310件であった。この件数をもとに推定を試みた。FFRCT解析の
適用外である冠動脈バイパス術の既往歴がある症例(7.3 % )及び2枝以上にステントが留置されている症例(19 %)を除外すると(参考文献3よ
り試算)、342,196件(464,310×(1-(0.073+0.19))=342,196)となる。また、冠動脈CT所見による狭窄率が50%以上でかつ完全閉塞ではない症例
(9.1 %)に対してFFRCT解析が行われるため、その対象は31,140件(342,196×0.091=31,140)となる。FFRCT解析依頼後、CT画像が解析不適合と
なる症例が10.4%と報告されており(参考文献4より)、当該症例を除外すると、今回の冠動脈CTA画像データを施設基準に定められた施設で相互
利用が可能となった場合、最大のポテンシャルとしてFFRCT解析の推定対象件数は、27,901件(31,140×(1-0.104)=27,901)程度と推定される。
医療費に対する影響としては、過去の文献からFFRCTを施行した約6~7割程度の患者において、不必要な追加の検査を避けられることが期待でき
るため、27,901人×70%=19,530.7人が不要な検査を避けると試算される。この不必要な追加の検査が侵襲的冠動脈造影(ICA:心臓カテーテル
法による諸検査(D206(1)))あるいは心血流SPECT【薬剤負荷】(E101)あるいはその両者を3分の1ずつと仮定した場合、外保連試案2020で
試算された1件あたりの医療機関における費用(205,285円(CAG)及び87,906円(SPECT))から、追加の費用は3,817,483,642円と試算される。
今回、要望するFFRCT解析に関わる費用(27,901人×78,000円=2,176,278,000円)を減じても1,641,205,642円は医療費を削減できる。さらに、
実臨床においては、侵襲的冠動脈造影(ICA)を施行された患者の一定数で侵襲的FFR測定やPCIが追加される症例があることが存在することを考慮
すると、さらなる医療費の軽減が期待できる。

見直し前の症例数(人)

6,000人

見直し後の症例数(人)

27,901人

見直し前の回数(回)

6,000回

見直し後の回数(回)

27,901回

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

2022年JCS(日本循環器学会)ガイドラインフォーカスアップデート版「安定冠動脈疾患
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す の診断と治療」において、FFRCTはクラスIIa、エビデンスレベルBで推奨。日本医学放射線
る。)
学会画像診断ガイドライン2021年版(第3版)では、「推奨の強さ:2、エビデンスの強
さ:強(A)、合意率:80%」とされている。

・2022年JCSガイドラインフォーカスアップデート版「安定冠動脈疾患の診断と治療」において、FFRCTはクラスIIa、エビデンスレベルBで推奨。
日本医学放射線学会画像診断ガイドライン2021年版(第3版)では、「推奨の強さ:2、エビデンスの強さ:強(A)、合意率:80%」とされてい
る。
・冠動脈CTAは本邦で464,310件施行され、広く普及しており成熟している。施設基準を満たした施設により、紹介された画像をみて適応を評価し
FFRCT解析を行うことで、専門性も保たれ、本検査の過剰施行なく適切に施行されるものと考えられる。

(1)64列以上のマルチスライス型のCT装置を有していること。
(2)画像診断管理加算2又は3に関する施設基準を満たすこと。
(3)次のいずれにも該当すること。
ア許可病床数が200床以上の病院であること。
イ循環器内科、心臓血管外科及び放射線科を標榜している保険医療機関であること。
ウ5年以上の循環器内科の経験を有する常勤の医師が2名以上配置されており、5年以上の心臓血管外科の経験を有する常勤の医師が1名以上配置さ
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 れていること。
エ5年以上の心血管インターベンション治療の経験を有する常勤の医師が1名以上配置されていること。なお、ウに掲げる医師と同一の者であって
制等)
も差し支えない。
オ経皮的冠動脈形成術を年間100例以上実施していること。
カ血流予備量比コンピューター断層撮影により冠動脈狭窄が認められたにもかかわらず、経皮的冠動脈形成術又は冠動脈バイパス手術のいずれも
行わなかった症例が前年に10例以上あること。
キ日本循環器学会及び日本心血管インターベンション治療学会の研修施設のいずれにも該当する病院であること。
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 現状の要件に準ずる。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 現状の要件に準ずる。
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

・FFRCTは冠動脈CTデータを用いて算出する非侵襲的な検査であり、検査実施におけるリスクはない。
・偽陰性リスクについて;ADVANCE試験(参考文献1)において、FFRCT結果に基づいて冠動脈造影検査をキャンセルしても主要心血管イベント
(MACE)は生じていない。ADVANCE試験(1年フォローアップ)においては、FFRCT陽性の患者と比較して陰性の場合は、有害事象発生率が低く、
心血管死・心筋梗塞が有意に低いことが示された。よって、FFRCT診断の安全性は担保されている。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

社会的妥当性:冠動脈を評価する各モダリティの放射線被爆量は、SPECT(10.7mSv)、CAG(8.1mSv)、cCTA(5.4mSv)であり、侵襲的な検査を
削減できることは、被曝の観点からも、患者及び医療従事者の負担軽減につながる。
問題点は特に認められない。

見直し前

E200-2:血流予備量比コンピューター断層撮影の9,400点

見直し後

現行の9400点を、血流予備量比コンピュータ解析7800点、コンピューター断層撮影(CT撮影)1000点、冠動脈CT加算600点に分ける。
外部で撮像された冠動脈CTAデータを受け入れた施設に対する加算として、血流予備量比コンピューター断層撮影読影加算(仮称)を新設し、500
点の追加を要望する。

その根拠

現行のE200-2血流予備量比コンピューター断層撮影の9,400点には、コンピューター断層撮影(CT撮影)に関わる点数が、1,600点分含まれてい
る。今回、外部で撮像された冠動脈CTAデータを受け入れた施設で払い戻し作業が起こらないようにするためにも、血流予備量比コンピューター
断層撮影のコンピューター断層撮影分の診療報酬部分の分離し、新たに診療報酬番号の付与を希望する。そのため、血流予備量比コンピューター
断層撮影の診療報酬を9,400点から1,600点分を削減した7,800点への変更を希望する。
また、外部で撮像された冠動脈CTAデータを受け入れた施設においては、FFRCT解析を行い結果を解釈し紹介元へフィードバックする労力を伴う
ため、加算として、血流予備量比コンピューター断層撮影読影加算(仮称)を新設し、500点の追加を希望する。

⑧点数等見直し
の場合

⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

区分
番号
技術名
具体的な内容

特になし

区分をリストから選択
特になし
特になし
特になし

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