提案書05(0802頁~0998頁)医療技術評価・再評価提案書 (51 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
262101
更年期症候群治療管理技術
一般社団法人
提案される医療
技術が関係する
診療科
日本女性医学学会
25産婦人科・産科
主たる診療科(1つ)
00なし
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
「実績あり」の 度)
場合、右欄も記
ホルモン補充療法(HRT)管理料
提案当時の医療技術名
載する
有
令和4年度
追加のエビデンスの有無
有
提案される医療技術の概要
(200字以内)
婦人科又は産婦人科を標榜する保険医療機関において、更年期症候群の患者であって、ホルモン剤(更年期症候群に対して
投与されたものに限る)を継続的投与している患者に対して、日本産科婦人科学会・日本女性医学学会の開催する所定の講
習会を受講した婦人科又は産婦人科を担当する医師が、患者の同意を得て、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養
上必要な指導を行った場合に、3月に1回に限り算定する。
文字数: 192
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
文字数: 298
更年期症候群
わが国の労働力不足は深刻な課題であるが、スキル・管理能力を備えた更年期世代女性が適切な更年期症候群の治療を受け
ることができず、労働生産性の低下、離職に至る現状は看過できない損失である。厚生労働省も「女性の健康課題の現状」
にて更年期症候群が女性ホルモンの欠乏を考慮しない対処療法では症状改善しないことを報告している。更年期症候群に対
するホルモン療法は最も有効な治療法であるが、その施行にあたっては有害事象の回避のための検査や服用方法の選択・評
価、医療面接など専門的管理が必要である。これに対応できる医師の育成・確保には疾患の重要性を象徴する更年期症候群
治療管理料としての保険収載の必要があると考る。
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
対象・疾患:更年期症候群(更年期障害)
病態:閉経後の卵巣由来のエストロゲン産生の減少・欠落により生じる多種多様な機能異常
症状:ホットフラッシュ、動悸、異常発汗、睡眠障害、神経過敏、抑うつ、関節痛、全身倦怠感など
年齢:閉経移行期以降の上記の状態にある女性(卵巣癌のCancer survivorなど若年層での卵巣摘出患者も含むため一律の年
齢を示すことは困難です。)
①更年期症候群の診断技術:更年期障害の診断は客観性のある検査データで決まるものでは無く、月経状況や月経に関与す
るホルモン動態から把握する卵巣機能評価、卵巣機能の低下過程と時間軸的に明確な因果関係のある症状(これを更年期症
状という)の種類と発現起点、類似する症状を発現する他疾患との鑑別などを総合的に判断する能力・技術。
②更年期症候群の程度を診断する技術:症状には軽症・中等症・重症があり、患者の訴えから日常生活および社会生活に及
ぼす負の影響の強さから判断する技術。
③重症度に基づいた治療方法の提案技術:中等症以下では生活習慣の是正、カウンセリング、漢方療法や症状に合わせた対
処療法で治療管理が可能なものが多い。日常生活に支障を来す重症例(これを更年期障害という)では極めて重大な問題を
引き起こし、家庭生活や就労に関する社会生活の維持に困難をもたらし、その崩壊(具体的には離職など)につながる。重
症例の治療には根本原因である女性ホルモン、特にエストロゲンの低下を補うホルモン補充療法が適応されもとの生活を取
り戻すことが可能となる。
④適切なホルモン製剤を選択する技術:女性ホルモン製剤には、人為的にある作用を強調し作成された多種類の合成型ホル
モンからヒトの卵巣が生成するものと同一の天然型ホルモンまで治療薬として存在している。さらに投与ルートも経口製
剤、経皮吸収型の貼付剤、経皮吸収型のゲル状塗布剤がありそれぞれ長所短所を併せ持っている。そのため、患者の年齢・
閉経後年数、体格、健康状態、素因、既往疾患などを総合的に判断し、適切な薬剤の組み合わせを選択する技術が必要であ
る。
⑤適切な投与方法を選択および状況に応じて適切な変更を行い治療継続を遂行する技術:子宮を有する場合はエストロゲン
製剤に加え子宮内膜癌予防のため黄体ホルモン製剤の併用が必須である。一方で子宮を摘出した女性ではエストロゲン製剤
のみで治療可能である。子宮を有する場合は、周期的な月経様出血を誘発する周期的投与法と無月経状態を維持させる持続
的投与法とがあり、患者の状態の正確な把握から決定する。投与するホルモン製剤の量には、標準量と低用量との選択肢が
あり、これも患者の状態の正確な把握から決定する。他疾患における治療方法と異なり、一律の処方選択はあり得ず、ホル
モン補充療法はすべてオーダーメイド化を行うことにより安全性が確保できる。これら一連の選択・変更を行う技術であ
る。
これらの管理技術は受診のたびに行うことが原則である。個々の患者にあった治療方法が確定し安定した経過が追えるよう
になった際には少なくとも3カ月に一度の総合的判断と評価が必須である。更年期障害による社会生活活動に対する支障の
期間は平均で約7年とされているが、10年以上の長期に及ぶ例もある。また、昨今の年金支給状況や定年年齢の延長措置に
より、ほとんどの女性が65歳まで就労しており、労働に更年期障害が悪影響を及ぼさないために仕事に就いている間は治
療・管理が必要な患者がほとんどである。
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
その他(右欄に記載する。)
該当なし
番号
-
医療技術名
-
既存の治療法・検査法等の内容
更年期障害に対する既存の治療技術として、ホルモン補充療法、漢方製剤、個々の症状に対する対処療法としての睡眠導入
剤や自律神経調整薬などによる治療がある。しかし、最も有効であるホルモン補充療法は製剤の取り扱いおよび患者管理が
煩雑であり安全に使用するためにはきめ細かい配慮が必要なため、多忙な臨床現場では忌避されてしまっている。そのため
先進国のなかで日本は極めてホルモン治療後進国であり、更年期女性のQOLの低下、女性の労働能力低下および離職などを
引き起こす原因のひとつと認識されている。
更年期障害の診断に対する検査法として、月経歴を主とした詳細な問診、血中ゴナドトロピンおよびエストロゲンの測定、
鑑別診断のための生化化学検査、甲状腺機能検査、婦人科診察による子宮・卵巣の評価、乳腺の評価、必要により骨密度測
定や心理検査などがある。
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