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提案書05(0802頁~0998頁)医療技術評価・再評価提案書 (62 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

265102
Global Longitudinal Strainによるがん治療薬関連心筋障害の診断
日本心エコー図学会

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

02呼吸器内科
16乳腺外科

関連する診療科(2つまで)
07血液内科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医

療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
令和4年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
Global Longitudinal Strain測定による抗癌剤心筋障害の診断:投与前中後
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する


追加のエビデンスの有無

提案される医療技術の概要
(200字以内)

心筋内の2点間の距離の変化率をストレイン(strain)と呼ぶ。左室長軸方向のストレインを複数断面で計測した平均値
global longitudinal strain(GLS)は、心筋収縮性の新しい指標として開発された。がん治療薬で生じる心筋収縮障害を鋭
敏に検出でき、がん化学療法関連心筋障害(CTRCD)の診断に有用性が証明され、がん治療ガイドラインでも推奨されてい
る。

文字数: 186
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

悪性腫瘍(心毒性を有するがん治療薬の適応疾患)

アントラサイクリン系抗癌剤、分子標的薬トラスツズマブ、免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブなどのがん治療に使用
されている薬剤には、心筋収縮を抑制する副作用を有するものがある。この副作用はがん治療の継続を困難とするだけでは
なく、医原性に心不全を発症させ、高コストな心不全治療が必要となる。心毒性を有するがん治療薬の適応疾患である悪性
腫瘍の治療前にGLSを計測し、投与の可否を判断する。さらに、投与中にも経時的にGLSを測定して、投与継続の可否を判断
する。これにより、がん化学療法関連心筋障害(CTRCD)による心毒性を早期診断でき、不適切ながん治療薬投与を回避する
ことができる。

文字数: 288
【評価項目】

①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

対象疾患:悪性腫瘍、対象となる病態:心毒性を有するがん治療薬が適応となる悪性腫瘍

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

方法:経胸壁心エコー法の検査時に追加してGLSを計測する。実施頻度:心毒性を有するがん治療薬の投与前・投与中・投
与後の計2~5回、期間:投与開始前から投与終了後まで。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)



番号

215

医療技術名

心臓超音波検査

既存の治療法・検査法等の内容

心収縮能の評価は主に心臓超音波検査で行われており、経胸壁心エコー法で計測する左室駆出率(LVEF)が使用される。LVEF
は心収縮による左室容積の変化率である。GLSに比べて、初期の心筋収縮障害の検出能が劣っている。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果

アントラサイクリン系抗癌剤を投与する癌患者をランダム化して前向きに、GLSまたはLVEFを指標として心機能を観察する
2群に分割し、アントラサイクリン系抗癌剤による治療を1年間行った。化学療法関連心筋障害(CTRCD)の発症率を比較した
ところ、GLSを指標とした群の予後が良好であった。また、乳癌治療ガイドラインでは、トラスツズマブ投与の際にGLSを心
機能指標として計測することを推奨している。
SUCCOUR試験(参考文献5)でGLSガイド群とLVEFガイド群のCTRCD発症率は5.8%と13.7%で、GLSの測定でCTRCDの発症が58%減
少した(p=0.02)。

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

1a
ガイドライン等での位置づけ

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

863

ガイドラインに心収縮能の主要評価項目としてGSLが記載されて
いる(参考資料1,3)