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提案書05(0802頁~0998頁)医療技術評価・再評価提案書 (83 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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⑥普及性

年間対象患者数(人)

100

国内年間実施回数(回)

200

※患者数及び実施回数の推定根拠等

CTXの有病率に関する一定の見解はないが、日本における患者数は100人未満とされている(指定難病263 脳腱黄色腫症
概要)。また、医療機関を対象にした全国疫学的調査によると、2012年9月~2015年8月の間に40例の患者が確認された
(Sekijima Y,et al.2018(参考文献4))。指定難病として登録されている患者数は、令和3年度末現在48例である(厚生
労働省 令和3年度衛生行政報告例)。しかし本症のCYP27A1遺伝子変異の頻度は東アジアで6万に1人と推測されており、そ
の報告によればわが国には1000人以上の潜在的な患者が存在することになる。さらに本症は初発症状から診断確定まで
平均15年以上かかっているので、本症またはその疑いのある患者で初回だけでも測定することは大きな意義がある。
本検査は、ガイドラインでは一人あたり年に最低1回、治療変更後はより頻回に実施することが推奨されており、潜在的な
患者数を100人として、年に2回実施すると仮定すると、年間実施回数は200回と推定される。

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

血清コレスタノール濃度の診断閾値は日本神経学会による「脳腱黄色腫症診療ガイドライン2018」において4.5μg/mlとさ
れている(参考文献1)。
本検査は株式会社エスアールエルの検査センターでGC法を、株式会社ビー・エム・エルの検査センターでLC-MS/MS法を行っ
ており、測定における技術的な問題はない。また、採血は一般的な技術であり、難易度に問題はない。

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)

採血自体は医療施設における基本的な検査技術であり、特別な体制は必要としない。
測定に関しては衛生検査所として法で定められた施設基準及び検査体制を満たす臨床検査センター(現在、株式会社エス
アールエルと株式会社ビー・エム・エルで測定可能)で行う。

人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)

特別な人員配置の要件はない。

その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)

「臨床検査のガイドラインJSLM2018(日本臨床検査医学会)」等、臨床検査に関して定める標準的な基準及び手順を遵守す
ること。

⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

通常の血液採血であるため、リスクは一般的な採血のものに準ずる。

⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

特に問題なし。


妥当と思われる診療報酬の区分
⑩希望する診療
報酬上の取扱い

関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)

点数(1点10円)

GC法の場合750点、LC-MS/MS法の場合1,350点

その根拠

現在、血清コレスタノールの測定は、検査センターにてGC法が6,000円で、LC-MS/MS法が12,000円で行われている。
この測定費用に採血の人件費や採血料など必要経費を加え設定した。

区分



番号

なし

技術名

なし

具体的な内容

なし
増(+)

プラスマイナス
予想影響額(円)

2,100,000円
当該技術の費用(GC法とLC-MS/MS法が半々で実施されると仮定)
(7,500円(診療報酬750点)×50人×2回)+(13,500円(診療報酬1,350点)×50人×2回)=2,100,000円

予想影響額

その根拠

QOLに著しく影響する神経症状などの発症前に早期診断が実施されるようになれば、CDCA補充療法開始により、通常の生
活を送ることも見込まれる。
発症又は進行抑制に成功した患者でも、生涯にわたり、治療(CDCA補充療法等)及び検査(MRI等)を必要とする。
しかしながら、外科療法(白内障手術、腱黄色腫除去手術)や介護(精神症状、脳腱黄色腫症による車椅子生活)に係る費
用の削減を見込め、また、社会生産にも健常人同様に寄与できるものと考えられる。さらに、CTXは、難病法及び障害者総
合支援法に基づく医療費助成制度、及び、小児慢性特定疾患医療費助成制度の対象疾患である。
そのため、これらの公費負担制度が負担する医療介護費も削減できると考えられる。
これらのことから、削減費用の具体的な算出は困難であるものの、少なくとも、コレスタノール測定の年間想定費用であ
る2,100,000円よりは、多額の医療介護費を削減できると考える。

備考

CTXでは、コレスタノールが過剰に生合成され各組織に沈着し、各種臓器の不全を発症する。
しかし、現在、保険診療下でコレスタノール生合成過剰を推定できる検査法はない。

⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
ガスクロマトグラフィー、または、液体クロマトグラフィー
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況
※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等

3)調べていない

1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。



⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い

d. 届出はしていない

⑭その他

CTXは早期に診断し、一次胆汁酸CDCAの補充療法を開始することで健常人と同等の生活を送ることが可能であり、健常な妊
娠・出産を経験した女性患者も報告されている。また、CTX治療の中心であるCDCA補充療法は、平成28年に日本神経治療学
会より厚生労働省に開発要望が提出された(第Ⅳ回 未承認・適応外医薬品開発要望、要望番号:Ⅳ-27)。その後、関連
企業に開発要請がなされ、開発が進んでいる(第Ⅲ相試験における最終登録被験者の治療期の観察が終了)。

⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

日本神経治療学会、日本周産期・新生児医学会、日本先天代謝異常学会、日本内科学会
日本小児神経学会、日本新生児成育医学会

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