提案書05(0802頁~0998頁)医療技術評価・再評価提案書 (119 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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のガイドラインにて推奨されている。下気道の痰の移動だけでなく,上気道のクリアランスを維持するクリティカルな手段とされる。MI-Eを使用
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 することにより,コントロール群に比べて抜管後の再挿管率やICU滞在日数を減らす効果がある。また,自然の咳より腹圧を上げずに排痰できる
後等のアウトカム
ため,腹部術後の肺合併症予防にも使用できる。
③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
令和3年(2021年)社会医療診療行為別調査によると,排痰補助装置加算の件数は4649件/月である。平成29年(2017年)の同調査では3019件/月
であったが,4年間で1630件/月の増加で年間400件程度ずつ排痰補助装置使用患者数が増加していると推定される。一方,在宅人工呼吸指導管理
料は2021年18441件/月,2020年17908件/月で933件増加しているが,年間の患者数増加もほぼ同数と推定される。排痰補助装置の使用者は年間400
人ずつ増加しているが、排痰補助装置単独での保険収載が認められれば、排痰補助装置使用者は増加すると予想する。在宅で使用している患者の
年間入院期間を1か月以内と予想し、これまでの算定から入院1か月分増数となると仮定すると 4649/11か月*12=5071件、さらに集中治療室での
使用を想定して、R3社会医療診療行為別統計特定集中治療室管理料早期離床・リハビリテーション加算診療実日数回数算定のうち10%に使用する
と仮定した場合1531件*12/10=1837.2件 診療実日数4941*12/10=5929.2回、同様に肺炎の10%に使用すると仮定して 134614件*12/10=161536.8
件、838882日*12/10=1006658.4日
見直し前の症例数(人)
4,649
見直し後の症例数(人)
168,445
見直し前の回数(回)
55,788
見直し後の回数(回)
1,068,375.60
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
「Duchenne muscular dystrophy (DMD) ケアの国際ガイドライン」は,米国の疾病予防管
理センター(CDC)が作成を推進した。DMDと同様に,脊髄性筋萎縮症,先天性筋ジストロ
フィー,先天性ミオパチーのケアの国際ガイドラインも公表された。英国呼吸器学会
(BTS)からも「筋力低下のある小児の呼吸マネジメント」ガイドラインが公表された。カ
ナダの「在宅人工呼吸ガイドライン」も,神経筋疾患の咳介助を含めた非侵襲呼吸ケアを
中心に記載されている。
本邦においても,上記を参考に2013年に「筋萎縮性側索硬化症診療ガイドライン2013」
(日本神経学会, Mindsに掲載)(121~122ページ,エビデンスレベル3),2014年に「デュ
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す シェンヌ型筋ジストロフィー診療ガイドライン」(日本神経学会・日本小児神経学会・国
立精神・神経医療研究センター,Mindsに掲載)(75~76ページ, エビデンスレベル3~
る。)
4),「神経筋疾患・脊髄損傷の呼吸リハビリテーションガイドライン」(日本リハビリ
テーション医学会, Mindsに掲載)(35~38ページ, 78ページ,エビデンスレベル1a)が公表
され,神経筋疾患などの咳機能低下に対するMI-Eケアの普及が推奨されている(推奨度
A)。一方,既に保険収載されている体外式陰圧人工呼吸器治療(J026-3)による排痰補助
は,「神経筋疾患・脊髄損傷の呼吸リハビリテーションガイドライン」によると推奨度は
C1であり,MI-Eより低い。神経筋疾患におけるシステマティックレビューでは他の手技と
比較してCPF(咳のピークフロー)増加について最も大きな増加をもたらすと結論付けてい
る(エビデンスレベル1a)。
・日本リハビリテーション医学会による「神経筋疾患・脊髄損傷の呼吸リハビリテーションガイドライン」では,機械による咳介助(MI-E)はエ
ビデンスレベルは1aとなっており,技術的には確立している。
・既に神経筋疾患では多くの症例が適応になっており,在宅医療において医師,看護師の指導の下に家族が実施しているケースもある。機器の操
作自体は簡便で難易度も高くない。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 機器取り扱いの研修会を施行したすべての医療機関
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 機器の取り扱いができる医師,看護師が配置されていれば特別に要件は必要ない。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 日本リハビリテーション医学会「神経筋疾患・脊髄損傷の呼吸リハビリテーションガイドライン」(2014)
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
嚢胞性肺気腫の病歴がある患者,気胸または気縦隔症に罹りやすい患者,あるいは最近何らかの気圧性外傷に罹った患者には,使用の前に慎重に
考慮する必要がある。まれに喉頭蓋が倒れこむfloppy epiglottis をきたす場合があり導入時には注意が必要である。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
人工呼吸器を使用する前の状態であっても排痰困難で苦痛のある患者は多数存在し,実際に使用している患者もいる。また呼吸器から離脱した抜
管後の患者でも再挿管を回避するために排痰補助装置の使用が有効である。このような状況の中で,呼吸器を使用していないと保険適用としない
のは倫理的に問題がある。また、排痰できないことに伴う苦しみを回避できる手段として緩和ケアの観点からも重要な手技であるが、それに対応
できていないことも倫理的に問題がある。苦痛緩和やQOLの改善のみならず、感染症予防にもなるため、入院を回避する助けにもなることから社
会的にも意義がある。
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
1,829点
見直し後
在宅1,829点/月のまま、入院60点/日
その根拠
在宅での使用は継続して毎日行うことが想定され、月単位が望ましく、入院では様々な使用期間になることが想定されるため1,829点/30日≒60点
として日単位とした。
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
特になし
その他(右欄に記載。)
番号
C-170
技術名
排痰補助装置加算
具体的な内容
これまでの排痰補助装置加算は廃止となる
減(-)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
5,000万円
その根拠
令和3年(2021年)社会医療診療行為別調査結果から推計した。
在宅での増加分は神経筋疾患以外の疾患および人工呼吸器を使用していない患者であるが、対象患者数は多くはないと思われ、約10%の500人増
として計算(500×1,829×10=9,145,000円増)。
入院分は上記集中治療室と肺炎から予測した年間実施日数1,012,587.6日対象者すべてに行われるとは考えにくいため10%で行われると仮定する
と 1,012,587.6×60×10/10=60,755,256円 合計約7,000万。集中治療室の対象患者の10%(1,837.2/10=184人)に使用し、7日間の集中治療室
滞在日数の短縮ができたと仮定すると、一日当たりの平均特定集中治療室管理料を1万点とした場合184人×7日×1万点×10=1億2880万円となり、
それだけでも予想増額分をはるかにしのぐ減額となることが予想される。
備考
特になし
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