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提案書05(0802頁~0998頁)医療技術評価・再評価提案書 (172 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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概要図書式

提案番号(6桁)

申請技術名

申請学会名

難治性高コレステロール血症を随伴する薬物治療抵抗性ネフローゼ症候群に対
日本腎臓学会
するLDLアフェレシス療法
【技術の概要】 ・ LDLアフェレシス療法(LDL-A)は血漿中のLDLコレステロールを選択的に除去する 血液浄化療法の1つ。
・ 薬物治療抵抗性のネフローゼ症候群に対しても速やかな脂質改善効果に伴って尿蛋白改善及び腎機能低下抑制効果を有する。
273201

【対象疾患】

薬物治療抵抗性ネフローゼ症候群(巣状糸球体硬化症(FGS)以外の症例も対象になる)
治療抵抗性症例は疾患に因らず末期腎不全に陥るリスクが高い(発症後10年で腎生存率50%以下となる; 図 1)

【既存の治療法との比較】

【有効性及び診療報酬上の取扱い】

・ 既存の適応:FGSだけがネフローゼから離脱して透析導入を免れうる
・ 適応拡大後:FGS以外の症例もネフローゼ離脱の可能性が広がる。

・ LDL-AはFGSだけでなく非FGS症例に対しても同様に有効(図 2)。
・ LDL-Aによるネフローゼ離脱率はFGSの方が膜性腎症(MN)より
やや良好である[65.3% vs 56.7%]が、治療後 6ヵ月以降になると
MNの方が良好になる[69.2% vs 73.3%](図 3)

適応拡大により透析導入症例が減り医療費が削減される。
(%)
100

しかし、非FGS症例は保険診療不可

ネフローゼ
離脱

90

有効 14/26 = 53.8%

80
60

*

50
40
30
20
10
0

* 膜性増殖性

ネフローゼ持


糸球体腎炎

症 例数

腎生存率

70

非有効
12例

有効 11/21 = 52.4%

非有効
10例

有効
14例

有効
11例

(Cameron JS Am J Nephrol 1990 10 )
5

10

15

図 1 ネフローゼ症候群の予後

20(年)

FGS症例
非FGS症例
(武曾ら Ther Res 2012)

図 2 FGS症例と非FGS症例の治療直後の有効性

(Muso et al. Ther Apher Dial in press )

図 3 LDL-Aにより治療したFGS症例とMN症例の予後

【適応拡大で削減できる医療費】
治療抵抗性症例の10年後腎生存率:50%,LDL-Aによるネフローゼ離脱率:50% ⇒ 1人の治療抵抗性患者の治療により0.25人の透析導入を回避

1人のLDL-A治療により削減できる医療費:480万円/人/年×10年(平均余命)×0.25 − 150万円/人(LDL-A治療費) = 1050万円/人
治療抵抗性難治性ネフローゼ症候群の年間発症数:700人(FGS 100人を除く)
973

⇒1050万円/人×700人= 73億5千万円の医療費が削減される。