提案書05(0802頁~0998頁)医療技術評価・再評価提案書 (170 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
約73億5千万円(年)
その根拠
・治療抵抗性ネフローゼ症候群に対するLDL-Aの有効性は約50%である[Muso E.et al. Clin Exp Nephrol 2015; 19: 379-386; Muso E et al.
Nephron Extra 2015; 5: 58-66]。一方、難治性となりネフローゼ症候群を離脱することができなかった症例の約50%が発症後10年で透析導入と
なる[Cameron JS. Am J Nephrol.1990; 10(Suppl 1): 81-87]。したがって1人の薬物治療抵抗性患者にLDL-A治療が適用されることにより0.5(透
析導入率)×0.5(LDL-Aの有効症例率)= 0.25人の透析導入を抑制することができる。
・患者1人に対するLDL-Aの医療費:15万円/回×10回 = 150万円/人で,患者1人に透析治療が導入されることにより発生する医療費:480万円/年/
人×10年 = 4800万円/人である。これらより、1人の薬物治療抵抗性患者にLDL-A治療が適用されることにより4800万円×0.25-150万円 = 1050万
円の医療費が抑制されると試算される。
・「エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン2017」によると難治性ネフローゼ症候群の新規発症数は年間800人(うちFGS症例は
100人)前後で推移しているため、適応拡大の対象となる症例数は700人と考えられる。
保険適応疾患をFGS以外の薬物治療抵抗性ネフローゼ症候群に拡大することにより透析導入を防ぐことが回避できる率を上の様に推論し、1050
万円/人×700人 = 73億5000万円 の医療費が削減されることが期待される。
備考
特になし
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
特になし
⑫その他
特になし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
⑭参考文献1
1)名称
Effect of Low-Density Lipoprotein Apheresis for Nephrotic Idiopathic Membranous Nephropathy as Initial Induction Therapy.
2)著者
Koshi-Ito E, Koike K, Tanaka A, Watanabe Y et al.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Ther Apher Dial. 2019年12月; 23巻6号: p.575-p.583
4)概要
LDL-Aが施行されたMN症例(11例)と非施行のMN症例(27例)の尿蛋白改善度を比較したところ、治療前の尿蛋白値はLDL-A施行群で有意に高く、
治療後4週、及び8週の時点での尿蛋白改善度は施行群の方が有意に高かった。したがって、LDL-Aは重度の蛋白尿を呈するMN症例に対して有効な
治療法となることが示唆された。
1)名称
Low-Density Lipoprotein Apheresis in Patients with Acute Kidney Injury Due to Minimal Change Disease Requiring Acute Renal
Replacement Therapy
2)著者
Terada K, Mugishima K, Kawasaki S et al.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Int J Nephrol Renovasc Dis. 2020年6月; 13巻: p.157-p.162
4)概要
eGFRが30 mL/min/1.73m2未満に低下し、急性腎代替療法が適用されたMCNS症例(2例)に対し、2例とも速やかに利尿が得られ、NSが寛解した。
1)名称
LDL-apheresis-induced remission of focal segmental glomerulosclerosis recurrence in pediatric renal transplant recipients
2)著者
Shah L, Hooper DK, Okamura D et al.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Pediatr Nephrol 2019年11月; 34巻11号: p.2343-p.2350
4)概要
腎移植後再発FGS症例(小児)7例に対しLDL-Aを施行したところ、いずれの症例でも蛋白尿の改善が見られ、部分寛解または完全寛解が得られ
た。7例のうち5例はLDL-A治療開始時のeGFRが60 mL/min/1.73m2以下の腎不全状態であり、最も重篤な症例のeGFRは20.8 mL/min/1.73m2であっ
た。
1)名称
Favorable therapeutic efficacy of low-density lipoprotein (LDL) apheresis potently expected on nephrotic syndrome even with
impaired renal function
2)著者
Muso E, Sakai S, Ogura Y et al.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Ther Apher Dial 2022年2月;26巻1号:p.220-p.228
4)概要
POLARIS研究登録症例の事後解析により腎機能が高度に低下した症例に対するLDL-Aの有効性が検討された。薬物治療抵抗性かつ腎機能低下を来し
たNSであっても治療前のeGFRが30mL/min/1.73m2以上であればLDL-Aにより尿蛋白レベルが有意に低下し、ほとんどの症例(29例中28例;96.6%)
で治療後2年の時点でも維持透析の導入を免れていた。
1)名称
Updated evidence of beneficial effect of LDL apheresis for refractory nephrotic syndrome due to a variety of causative diseases for nationwide and global approval-
2)著者
Muso E, Kakita H, Suzuki H, Tsukamoto T.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Ther Apher Dial 2023年;in press
4)概要
ネフローゼ症候群に対するLDL-Aの最近の治療エビデンスを概括した総説であるが、LDL-AがFGS以外の疾患に対しても同様に有効であること、特
に膜性腎症(MN)に対しては治療後6ヵ月以降ではFGSよりもネフローゼ症候群離脱率が良好な成績が得られているデータが提示されている。
⑭参考文献2
⑭参考文献3
⑭参考文献4
⑭参考文献5
日本透析医学会
※⑬については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等の関連団体
や研究者等の名称を記載すること。
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