提案書05(0802頁~0998頁)医療技術評価・再評価提案書 (149 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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拠・有効性
臨床家は最初に短期間のセルフヘルプ認知行動療法(1回20分程度、最低週1回、16週間の間に、4~9回実施、開始当初は週1回)を提供し、セル
フヘルプ心理療法が4週間後にも有効でない場合には、摂食障害に焦点化されたより専門的な治療((CBT-E等)が推奨される。
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 セルフヘルプ認知行動療法は、短期間で、完全寛解率、長期の維持効果も優れた効果が認められ、約40%-50%で完全に症状が消失した。成人だけ
ではなく、思春期の過食症患者に対しても治療効果、費用対効果、維持効果も優れている(Schmidt U et al, Am J Psychiatry, 2007)。わが国
後等のアウトカム
でも、本マニュアルを用いたガイドによるセルフヘルプ認知行動療法で、過食症状の完全寛解率40%, 排出行動の完全寛解率48%、脱落率8%と優
れた治療効果が検証された(Setsu& Asano et al., 2018)
ガイドライン等での位置づけ
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
1998年の厚生省研究班の調査では、神経性過食症の年間受診患者数は、6,500人(人口10万対4.3~5.9)と計算されている。全受診患者のうち、
10%(650人)が認知行動療法に該当すると想定した。また、年間実施回数は中途での終了例も考慮し、平均実施回数を12回として算出した。
見直し前の症例数(人)
650
見直し後の症例数(人)
650
見直し前の回数(回)
12
見直し後の回数(回)
12
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 海外のガイドライン(英国、NICE, 2017)では、神経性過食症に対する第一選択の治療選択
る。)
として、セルフヘルプ心理療法が推奨されている。
国内、国外のガイドラインにおいて、神経性過食症に対して、摂食障害治療の原則について、
患者、支援者に対して、摂食障害に関する正しい知識や治療の利点と限界についても情報を共有すること、共感的に、思いやりと敬意を示すこと
を原則とし、過食症に対する第一選択の治療選択として、セルフヘルプ認知行動療法が推奨されている(NICEガイドライン、2017)。セルフヘル
プ認知行動療法は、ガイド本を用いてコーチ役の治療はマニュアルに沿って施術する。日本心身医学会のガイドラインで、認知療法・認知行動療
法は神経性過食症でもっともエビデンスレベルの高い治療法として位置付けられている。国内のガイドラインにおいて当該治療には熟練性を要
し、専門技術研修を受けた医師がおこなうことが求められている。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 精神科、心療内科、内科
制等)
人的配置の要件
医師(内科、心療内科、精神科)、看護師、公認心理士で、原則、3年以上の臨床経験と摂食障害に関する治療経験があり、セルフヘルプ認知行
(医師、看護師等の職種や人数、専門 動療法ワークショップを受講(年に数回の中の1回、摂食障害治療研修会を含む)し、限り算定することができる
性や経験年数等)
倫理的配慮に基づき、本治療を行うことに患者、あるいは代諾者から同意を得ること。施術者は、ワークショップを受講した後、神経性過食症、
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 過食性障害の症例をもって週1回、12回以上のセッションを実施し、治療回数、治療の内容、治療前後の過食、排出行動の頻度、Body Mass
Index(BMI)の評価を診療録に記載され場合に、算定できる。
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
副作用のリスクは極めて低い
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
倫理的配慮に基づき、本治療を行うことに患者、あるいは代諾者から同意を得ること。施術者は、ワークショップを受講した後、神経性過食症、
過食性障害の症例をもって週1回、12回以上のセッションを実施し、治療回数、治療の内容、治療前後の過食、排出行動の頻度、Body Mass
Index(BMI)の評価を診療録に記載され場合に、算定できる。
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
見直し後
その根拠
480
800
うつ病、神経性過食症に対する認知行動療法の点数と所要時間から計算
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
-
I
番号
技術名
4
心身医学療法
具体的な内容
心身症の患者に対して、一定の治療計画に基づいて、身体的病態と心理社会的要因との関連を、明らかにするとともに、当該患者に対して心身両
面からのアプローチを行うことにより、症状の改善又は疾病からの回復を図る。
増(+)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
5,212,800
その根拠
厚生省特定疾患対策研究事業1998年の報告で、神経性過食症の患者は6,500人(人口10万対4.3~5.9)と推計されている。当該技術の診察を650人
が受けると試算し、このうち、2割(130人)が通院精神療法330点から認知行動療法に切り替え、残り8割(520人)を心療内科で心身医学療法80
点から認知行動療法に切り替わったととして、72万+449万となる。
備考
特になし
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
なし
⑫その他
なし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
日本女性心身医学会、日本小児心身医学会、日本不安症学会、日本認知療法・認知行動療法学会
950