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提案書05(0802頁~0998頁)医療技術評価・再評価提案書 (143 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険既収載技術用)
整理番号

271202

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

軽度・中等度の神経性やせ症に対する認知行動療法
日本心身医学会
11心療内科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

21精神科
関連する診療科(2つまで)
01内科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する

提案当時の医療技術名

令和4年度

神経性やせ症に対する認知行動療法



追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号

再評価区分(複数選択可)


I003-2
1-A

算定要件の見直し(適応)

1-B

算定要件の見直し(施設基準)

該当する場合、リストから○を選択

1-C

算定要件の見直し(回数制限)

該当する場合、リストから○を選択

2-A

点数の見直し(増点)

該当する場合、リストから○を選択

2-B

点数の見直し(減点)

該当する場合、リストから○を選択



項目設定の見直し

該当する場合、リストから○を選択



保険収載の廃止

該当する場合、リストから○を選択



新規特定保険医療材料等に係る点数

該当する場合、リストから○を選択



その他(1~5のいずれも該当しない)

該当する場合、リストから○を選択

「6

提案される医療技術の概要(200字以内)



その他」を選んだ場合、右欄に記載

神経性やせ症(AN)は薬物療法が確立していない。早期にエビデンスのある治療を受けると回復の可能性が高まる。認知行動療法は英国のNICEガ
イドラインで神経性やせ症治療の第一選択である。治療マニュアルが完備し、保険既収載の神経性過食症のマニュアルと基本部分が共通でモ
ジュールを追加すればよく、治療者の養成や普及は容易である。今回、軽度・中等度の神経性やせ症へのCBTの対象拡大を要望する。

文字数: 192

再評価が必要な理由

既に保険収載されている神経性過食症(BN)のマニュアル(CBT-E)と基本骨格は同じである。これまでにCBT-E講習会には726名の治療者参加し
た。BNに比べてAN用のマニュアルは体重増加のため追加で0~20回のセッションを要するのみである。ANはBNに比べ、身体への悪影響が大きい。
実際、やせと過食・嘔吐等の食行動異常を特徴とし有病率は若い女性の0.2-0.5%と高い。寛解率は2.5年で29%、8年68%、16年84%と遷延化しやす
い(Keel 2010)。食事と体重・体型への極端なとらわれがあり、精神科的併存症により健康度や社会的機能が著しく低下する。10年で5%が死亡す
る。薬物療法の効果が乏しく早期のエビデンスのある治療が回復を早める。認知行動療法は治療からの脱落率が精神分析的治療より有意に低く、
家族療法(Familiy-based treatment)や通常治療(TAU)に比較しても低い傾向があることが報告されている(文献)(Solmi 2021)。以上のよ
うに研修体制の構築や治療者養成は速やかに実施でき、患者にも受け入れやすい認知行動療法の神経性やせ症への適応拡大することを要望する。
BMI16未満の重症群は従来の治療を行う。特に軽度群は、病歴も短い群が含まれ早期治療につながる。

【評価項目】

①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)

神経性やせ症への認知行動療法は、特異性の高い治療法であり、治療回数は、BMIが16以上, 17.5未満の場合は30回、BMIが17.5以上の場合は20回
のセッションから構成される治療プログラムである。高度な専門技術を要する標準的な治療法にも関わらず、保険適応となっていない。既に保険
適応されている同じ摂食障害に分類される神経性過食症に対する認知行動療法と神経性やせ症に対する認知行動療法ではマニュアルの大部分が共
通であり、技術性・所要時間はほぼ同等である。完遂者における有効率は6割~7割と高値である。神経性やせ症に対して適応が拡大されば、神
経性やせ症に対する認知行動療法の導入が進む。このデビデンスのある治療を多くの患者が受ける機会が増加することは、非常に有益であると考
える。そのため、今回 軽度・中等度への神経性やせ症の保険適応追加を希望する。

②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

対象患者:神経性過食症 ・医療技術:認知療法・認知行動療法 ・点数や算定の留意事項 医師による場合 480点 医師及び看護師が共同して
行う場合 350点 実施に当たっては、研究班作成の「摂食障害に対する認知行動療法CB T-E簡易マニュアル」(平成 29 年度国立研究開発
法人国立精神・神経医療研究センタ ー精神・神経疾患研究開発費研究事業「心身症・摂食障害の治療プログラムと臨床マー カーの検証」)に
従って行った場合に限り、算定できる。今回の提案技術である認知行動療法は、DSM-5より神経性やせ症と診断された患者で体格指数が16kg/m2以
上(例:身長155cm 体重39kg)ある者を対象とする。


診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

I003-2

医療技術名

神経性やせ種に対する認知行動療法

③再評価の根
拠・有効性

神経性やせ症では体重の回復率は5年で66.8%(Keski-Rahkonen 2007)と報告れている。年に0.5%、10年で5%の割合で死亡する。摂食障害に焦点
化された認知行動療法を実施した場合、治療終了時(治療開始9ヶ月後)に53.8%、1年度フォローアップ時(治療開始22ヶ月)59%が健康体重
(BMI >18.5kg/m2)を回復し、30%が精神病理も含めて完全寛解したと報告されている(文献3)。別の研究でも約40%が1年後フォローアップ時に
健康体重を回復した(文献4)。このように認知行動療法導入により早期に体重が回復する可能性が高まり、完全寛解も可能である。英国のNICEの
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 ガイドライン(2017)では摂食障害に焦点化された認知行動療法が、モーズレイ式神経性やせ症治療(MANTRA)、専門家による支持的臨床マネジメ
後等のアウトカム
ント(SSCP)と並んで、成人の神経性やせ症治療の第一選択である。また、思春期・青年期患者では治療の第二選択である(文献2)。認知行動療法
は青年期の患者では成人患者よりもより早期に奏功することが報告されている。神経性やせ症患者は治療に対して葛藤があり、治療の継続が難し
いことが知られているが、認知行動療法は治療からの脱落率が精神分析的治療より有意に低く、家族療法(Familiy-based treatment)や通常治
療(TAU)に比較しても低い傾向があることが報告されている(文献5)

ガイドライン等での位置づけ

英国のNICEのガイドライン(2017)では摂食障害に焦点化された認知行動療法が、モーズ
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す レイ式神経性やせ症治療(MANTRA)、専門家による支持的臨床マネジメント(SSCP)と並ん
る。)
で、成人の神経性やせ症治療の第一選択である。また、思春期・青年期患者では治療の第
二選択である(文献2)。

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