令和5年5月 医療機関の医師の労働時間短縮の取組の評価に関するガイドライン(解説集) (164 ページ)
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出典情報 | 令和5年5月 医療機関の医師の労働時間短縮の取組の評価に関するガイドライン(解説集)(5/24)《日本医師会》 |
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その上で、まずは、現行制度の下で実施可能な範囲において、医師以外の医療関係職種
が実施可能な業務についてのタスク・シフトシェアを最大限に推進することが求められ
る。このため、厚生労働省において令和元年6月から7月にかけて実施したヒアリング
の中で各種職能団体及び各種学会から提案のあった項目を基に、現行制度の下で医師か
ら他の医療関係職種へのタスク・シフトシェアが可能な業務の具体例について、3.の
とおり整理した。各医療機関においては、3.において記載した業務の具体例も参考にし
つつ、各医療機関の実情に応じて、タスク・シフトシェアの取組を進められたい。
また、タスク・シフトシェアを効果的に進めるために留意すべき事項について、「意
識」「知識・技能」「余力」の3つの観点から、2.のとおり整理したので、2.におい
て記載した留意点も踏まえつつ、タスク・シフトシェアの取組を進められたい。
なお、今後、厚生労働省において、医療機関におけるタスク・シフトシェアの推進の
好事例について、2.において記載した留意点も踏まえた推進のプロセスや、費用対効果
も含めて、収集・分析を行い、周知を行うことを予定している。
2.タスク・シフトシェアを効果的に進めるために留意すべき事項
1) 意識改革・啓発
タスク・シフトシェアを効果的に進めるためには、個々のモチベーションや危機
感等が重要であり、医療機関全体でタスク・シフトシェアの取組の機運が向上する
よう、病院長等の管理者の意識改革・啓発に加え、医療従事者全体の意識改革・啓発
に取り組むことが求められる。具体的には、病院長等の管理者向けのマネジメント研
修や医師全体に対する説明会の開催、各部門責任者に対する研修、全職員の意識改革
に関する研修等に取り組む必要がある。特に、一部の職種のみ又は管理者のみの意識
改革では、タスク・シフトシェアが容易に進まないことに留意する必要がある。
2) 知識・技能の習得
タスク・シフトシェアを進める上で、医療安全を確保しつつ、タスク・シフトシ
ェアを受ける側の医療関係職種の不安を解消するためには、タスク・シフトシェア
を受ける側の医療関係職種の知識・技能を担保することが重要である。具体的には、
各医療関係職種が新たに担当する業務に必要な知識・技能を習得するための教育・研
修の実施等に取り組む必要がある。教育・研修の実施に当たっては、座学のみではな
くシミュレーター等による実技の研修も行うほか、指導方法や研修のあり方の統一・
マニュアルの作成を行うことなどにより、医療安全を十分に確保できるよう取り組む
必要がある。
3) 余力の確保
タスク・シフトシェアを受ける側の医療関係職種の余力の確保も重要である。具
体的には、ICT機器の導入等による業務全体の縮減を行うほか、医師からのタス
ク・シフトシェアだけでなく、看護師その他の医療関係職種から別の職種へのタス
ク・シフトシェア(現行の担当職種の見直し)にもあわせて取り組むことなど、一
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