資料2-4 厚生労働省の令和5年度研究事業に関する評価【概算要求前の評価】(案) (131 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html |
出典情報 | 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》 |
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医療従事者、事務職員、肝炎患者、高齢者施設職員等の高リスク集団に対する elearning の実施を継続し、その効果検証を行う。また、届け出をされた急性肝炎症例の
収集・解析を継続し、経年的動向を示す。e-learning により、高リスク集団への知識普
及は一定の成果を認めており、これらを基本指針のとおり、国民全体に向けてさらに発
展、活用していくための研究として増額が要求される。
(2)新規研究課題として推進するもの
・「肝炎ウイルス検査受検率の向上及び受診との円滑なつながりに資する研究」
これまで、自治体や職域等で実施される肝炎ウイルス検査の受検を促進し、陽性者を
受診・受療につなげる手法や受検後に検査陽性者を継続的なフォローアップにつなげる
システムの構築について検討し、一定の成果を得てきた。改正された肝炎対策基本指針
においても、受検、受診、受療及びフォローアップの全体的な状況について、都道府県
や市区町村との連携を深め、引き続き把握に取り組むこととされている。
本研究では、既存の手法の質の向上に加えて、新たなアプローチも検討し、肝炎ウイ
ルス検査の受検者・陽性者の背景や地域の実情に応じた受検率・受診率の向上、効果的
なフォローアップシステムの確立および陽性者を適切な肝炎医療に繋げる方策などが
求められており、その有効性について検証を行う。
・「多様な病態に対応可能な肝疾患のトータルケアに資する人材育成及びその活動の質
の向上等に関する研究」
これまでの研究において、受検、受診、受療のいずれのステップにおいても、肝炎医
療コーディネーターの介入が有効であることが報告されており、また肝炎に係る医療相
談体制の提供にも重要な役割を担っている。育成された肝炎医療コーディネーターの活
躍により、肝炎ウイルス患者の支援体制の拡充がさらに図られると考えられるが、肝炎
医療コーディネーターの養成後の具体的なスキルアップ方法や肝炎医療コーディネー
ターの職種及び配置場所に応じた効果的な活動の方法を通じたコーディネーター間で
の情報共有や連携がしやすい環境については十分な検討がなされていない。
新たな質の高い人材育成及び活動の質の向上の方策等について、地域や施設の実情や
特色を踏まえて検討する。また、昨今の肝疾患の動向を考慮し、多様な病態である肝疾
患全体について、肝炎患者等自身が診療についての一般的な知識を持つことにより、適
切な受検・受診行動に結びつくよう、肝炎医療コーディネーターの活動を補助する資材
とその有効性について検討する。
・
「様々な生活の場における肝炎ウイルス感染者の人権への望ましい配慮に関する研究」
肝炎対策基本指針において、肝炎患者等に対する偏見や差別を解消するためには、正
しい知識の普及を前提に、感染症患者に対する偏見や差別の歴史を踏まえ、肝炎患者等
の人権を尊重するためにはどのようにふるまうべきかを考え、学ぶことが重要であると
されている。先行の研究において肝炎患者に対する偏見や差別を解消するためソーシャ
ルメディア等を利用した啓発が実施されているが、肝炎に関する正しい知識を元に、ど
のように肝炎患者等の人権の尊重に配慮し、国民一人一人が考え、行動していくための
方策につなげるかについて十分な検討はなされていない。
偏見や差別の解消のために、メディア等を活用した既存の方法を継続しつつ、特に、
肝炎患者と関わることが多い医療機関においての患者への対応方法等を検討し、様々な
場における人権尊重の推進方策やその有効性を検証する。また、地方公共団体、学校教
育関係者、患者団体等の様々な関係者と連携し、肝炎患者等に対する適切な配慮につい
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