資料2-4 厚生労働省の令和5年度研究事業に関する評価【概算要求前の評価】(案) (168 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html |
出典情報 | 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》 |
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実験削減・代替へ寄与することが期待される。
さらに、これらを関係法令等に基づく各種施策へ活用することによって、国民生活の
安全確保に寄与するとともに、産業界に対してもより合理的な化学物質対策の実施が可
能となることが期待される。
(2)これまでの研究成果の概要
① 化学物質の有害性評価の迅速化・高度化・標準化(令和4年度継続中)
QSAR(Quantitative Structure-Activity Relationship:定量的構造活性相関)等
の網羅的な毒性予測手法の開発や改良を行い、反復暴露等の毒性評価の効率化に向け
てデータの蓄積・解析を進めている。
②
シックハウス(室内空気汚染)対策(令和4年度継続中)
化学物質の分析に必要不可欠なヘリウムガスの世界的な供給不足に関して、代替キ
ャリアガスを使用した測定法の開発を進め、室内空気中揮発性有機化合物の GC-MS 分
析に,代替キャリアガスとして水素もしくは窒素を適用できる可能性が示唆された。
③
ナノマテリアルのヒト健康への影響評価(令和4年度継続中)
ナノマテリアルの評価手法として、吸入暴露及び気管内投与手法等において、新た
な評価手法が有効である可能性を示した。
④
家庭用品に含まれる化学物質の健康リスク評価に関する研究(令和4年度継続中)
現行の家庭用品規制法における有害物質の改正試験法の開発、世界的に供給不足と
なっているヘリウムを使用しない GC-MS の代替試験法の開発、規制基準値設定のため
のハザード情報や暴露情報の収集を行った。
⑤
内分泌かく乱物質の暴露影響評価に関する研究(令和4年度継続中)
甲状腺機能に影響を及ぼす物質を投与した際の甲状腺関連指標の変化を検討し、化
学物質の抗甲状腺作用の早期検出において甲状腺の病理組織学的検索及び T4 免疫染
色が鋭敏な指標となる可能性が示唆された。
(3)これまでの研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
○ 化学物質の安全性評価手法として、OECD テストガイドラインの作成活動に研究成
果を活用する等、国際貢献に寄与するとともに、そのうちのいくつかの試験法は化審
法の有害性データの収集にも活用されている。また、QSAR 等の網羅的な毒性予測手法
の成果についても、OECD テストガイドラインの作成活動に活用し、より的確に化学物
質による健康への影響を最小限に抑え、さらに迅速かつ安価に化学物質の試験を行う
ことに寄与することが期待される。
○
指針値が定められている室内空気中化学物質の測定法の改定や国内規格化・国際規
格化への取り組みが推進され、室内空気の化学物質の濃度のより的確なモニタリング
に寄与することが期待される。特に、平成 31 年1月 17 日に指針値が改定された3物
質(キシレン、フタル酸ジ-n-ブチル及びフタル酸ジ-2-エチルヘキシル)の測定法に
ついては、国内規格化(日本薬学会編衛生試験法・注解 2015 追補 2019 に公表)が終
了し、国際規格化が進められている。
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