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資料2-4 厚生労働省の令和5年度研究事業に関する評価【概算要求前の評価】(案) (88 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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準の見直しや合併症事例の共有により、移植成績が向上することが期待できる。
(2)新規研究課題として推進するもの
【臓器・組織移植分野】
「臓器・組織移植医療における負担軽減、環境改善に資する研究」
臓器・組織移植医療は臓器提供者が入院している提供施設及び各臓器の移植希望者が
治療を受ける移植実施施設の医療関係者、コーディネーター等多くの関係者が関与して
おり、そのプロセスの中には、一部の関係者の無償の努力によって補われている部分も
あり、持続可能な体制が構築されているとは言えない。将来的に臓器提供数が増加した
際にも普遍的、持続可能な臓器・組織移植医療となるために、現状のプロセスにおける
負担軽減や環境改善を進めた体制の構築を目指す。
「脳死下・心停止後臓器提供に関わる医療の評価に関する研究」
臓器移植法が施行されて 25 年、これまでの研究事業等の取り組みの結果、脳死下臓
器提供数は増加傾向にある。しかし施設間・地域間の臓器提供数の差が顕在化しており、
特に腎移植において地域間格差が顕著に生じている。臓器提供に関わる医療を客観的に
評価する手法を確立し、臓器提供を行うに当たっての障壁や、施設間・地域間格差の要
因を解析し、今後の施設・地域医療構想に関する施策に活用する。
【造血幹細胞移植分野】
「末梢血幹細胞移植の普及と治療成績向上のための研究」
末梢血幹細胞移植は、骨髄移植と比較して、ドナー自身の感じる身体的負担が少なく、
コーディネート期間が短いにもかかわらず、臍帯血移植を除いた非血縁者間移植に占め
る割合が 20%程度と普及していない。その背景として、入院で採取前の G-CSF 製剤を投
与している医療機関が多くドナーの入院期間が長くなることや、移植医が、患者の QOL
を低下させる慢性移植片対宿主病などの合併症を懸念して、骨髄移植を選択することが
多いこと等が挙げられる。新規薬剤の承認・適応拡大等を見据え、利点の多い末梢血幹
細胞移植を適切な体制で普及させるとともに、移植源の選択や合併症の予防・治療等の
移植医療に関する科学的知見を共有し、治療成績の更なる向上を目指す。
(3)令和5年度の研究課題(継続及び新規)に期待される研究成果の政策等への活用又は
実用化に向けた取組
【臓器・組織移植分野】
◯継続課題により、科学的根拠に基づいた新たな普及啓発を展開することで、意思表示
率の上昇や臓器提供件数の増加につながる。またより効率的な新たな普及啓発を事業
として展開することが可能となる。
◯新規課題により、臓器・組織移植医療の現状解析と負担軽減、業務・環境改善が行わ
れることで、現在臓器・組織移植に関わる現場の医療関係者等の無償の業務等が、適
切なタスクシフト等を実施することで持続可能なプロセスとなることが期待される。
そして提供施設・移植施設の働き方改革の推進につながり、より円滑な臓器・組織移
植医療の体制構築に寄与する。また現状解析から臓器・組織移植医療の推進の課題を
抽出し、
「臓器の移植に関する法律」の運用指針(ガイドライン)等で該当する箇所の
改定を行う。
【造血幹細胞移植分野】
◯継続課題により、より良質な臍帯血の採取技術・調製保存方法が確立し、臍帯血の安
定供給、品質向上が期待できる。また、
「移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基
準に関する省令の運用に関する指針」の改訂に向けた政策提言がなされる。骨髄バン
クと連携して、若年ドナーを増加させる取組やドナー家族への造血幹細胞の提供に関
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