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資料2-4 厚生労働省の令和5年度研究事業に関する評価【概算要求前の評価】(案) (38 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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躍機会も生み出されている。わが国が引き続き保健関連の国際機関に対してより戦略
的・効果的に関与していく上で保健分野の主要国際機関に対する幹部人材の送り込みや
人材育成は重要である。本研究は、保健分野の主要国際機関幹部での実務経験をもつ国
内外の人材の経験と知見を系統的に分析し、将来の国際機関幹部候補となり得る人材に
対して、メンタリングやキャリア開発支援を行うメンター研修、ジェンダーや人種等の
ダイバーシティーに配慮したリーダーシップ研修、模擬国際会議を通じた研修を含む研
修プログラムを開発することを目的とする。開発した研修プログラムによって、国際保
健政策人材のキャリア開発を推進する。
・「カーボンニュートラル社会におけるヘルスケアシステムの設計と転換策を提案する
研究」
医療提供や医薬品製造等に際しては電力消費や化石燃料の消費が必要であり、気候変
動対策の強化が課題である。英国国民保健サービス(NHS イングランド)は 2008 年に気
候変動法の目標達成に向けて炭素削減戦略を策定し、2007-2017 年の間に 18.5%の炭素
排出削減に成功した。他方、NHS イングランド全体の年間排出量は 1800 万トン以上と推
定され、国の総排出量の 5.4%を占める。日本でも医療関連排出は約 5%を占め、高齢化
による医療需要の増加を見込むと 2050 年のカーボンニュートラルに向けて排出削減努
力が求められる。本研究は、ヘルスケア需要がサプライチェーンを通じて排出する温室
効果ガス排出量を算定するモデルを開発し、医療施設での再生エネ電力利用、医薬品や
プラスチック削減の他、医療施設の建物建替時の省エネルギー性能の確保等のヘルスケ
アの脱炭素化オプションの削減効果を定量する。また、保健医療分野での削減ポテンシ
ャルの評価及び課題を分析し、その結果から 2050 年に向けたヘルスケアシステムの設
計と転換策、脱炭素に取り組むインセンティブを与える保健医療制度の設計のための提
言をまとめる。これらの結果を厚生労働行政への提言としてまとめ、日本のみならず各
国の保健医療分野の脱炭素化の推進につなげる。
・「高齢者介護サービスの質の向上のための国際的評価指標の開発及び実証に資する研
究」
世界的に高齢化が進行しており、特に ASEAN 諸国において急速に高齢化が進んでい
る。ASEAN 諸国においてはアクティブエイジングの推進に関する取組は進んでいるが、
高齢者の増加に伴い、介護サービスへのアクセス拡大、公的介護サービスの導入や更な
る整備、継続的な提供が課題となっている。これらの課題解決のためには、介護の質の
評価を行い、介護サービスの費用対効果を明らかにする必要があるが、国際的に広く利
用可能なその評価指標は知られていない。本研究では、諸外国の介護の質の評価に関す
る既存の指標や好事例の分析及び ASEAN 諸国の高齢者介護サービスの現状、ニーズ、課
題について分析を行い、中・低所得国を含め、国際的に広く利用可能な評価指標を開発
する。また開発した評価指標の検証に関して、パイロットスタディを行う。さらに、指
標に基づく ASEAN 諸国等の介護サービスの向上に向けた提言や国際会議等での発信を
通じて、ASEAN 諸国等における高品質な介護サービスのアクセス向上に貢献する。
(3)令和5年度の研究課題(継続及び新規)に期待される研究成果の政策等への活用又は
実用化に向けた取組
・「WHO における国際文書の策定とその効果検証を通じた世界的な健康危機対応の強化
に資する研究」は、
(ア)及び(エ)に属し、わが国の保健に関する国際会議におけるよ
り戦略的・効果的な関与と日本の国際的なリーダーシップの強化に繋がる。また、わが
国がパンデミック関連の国際的な法整備において主導的な役割を果たすことで、ワクチ
ン及び医薬品の研究開発や健康危機管理能力に関連した SDGs 3.b、3.c、3.d の達成に
貢献する。
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