資料2-4 厚生労働省の令和5年度研究事業に関する評価【概算要求前の評価】(案) (41 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html |
出典情報 | 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》 |
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わが国がこれまで蓄積してきた知見や経験を活かし、UHC を含めた国際保
観点から
健分野の様々な課題においてわが国がより効果的に貢献し、国際的な存在感
を高め、国際協力に関するわが国の政策決定に資するために、本研究事業が
必要である。また、
国際社会における存在感を維持あるいは強化するために、
本研究事業で複雑な歴史的・政治的背景を持つ国際会議の議題を解析し、わ
が国が自身の立場を効果的に主張するための手法を開発し、人材を育成する
ことの意義は大きい。新型コロナウイルス感染症をはじめとした新興・再興
感染症の世界的流行、高齢化、気候変動への対策等が注目される中、グロー
バルな健康危機対応の枠組の構築、介護の質に関する国際的な指標の開発、
保健医療分野での脱炭素化の推進に貢献することは、国際保健分野において
緊急性と適時性があり、SDGs の達成や急速に高齢化が進む ASEAN 諸国等に
おける高品質な介護サービスのアクセス向上に寄与することで、わが国が同
分野のイニシアチブに参画することに繋がる。
(2)効率性の
過去に確立した研究基盤を活用して研究を遂行することによって効率性
観点から
の向上を図る体制が構築されている。
例えば、「WHO における国際文書の策定とその効果検証を通じた世界的な
健康危機対応の強化に資する研究」では、令和4年度厚生労働科学特別研究
の成果をもとに日本政府が国際会議に提出した健康危機の強化に関する提
案の結果を検証し、その検証結果を踏まえて改善した提案を効率的に作成す
ることができる。
(3)有効性の
研究成果はこれまで保健課題に関する国際的議論の場で大いに活用され
観点から
てきた。例えば、人間の安全保障と UHC 実現のための行動計画及びその具体
例が G7伊勢志摩サミットの保健アジェンダの議論の方向性を検討する際
に活用され、保健関連 SDGs の達成にあたり他セクターの健康の社会的決定
要因への関与や、地域(regions)及び都市と地方との格差の解消の必要性が
調査研究を通じて明らかとなり、国際的な議論の場におけるわが国の方針の
根拠となった。
研究から得られた知見を国際保健人材育成のための教材と教育プログラ
ムの策定に活用し、人材の育成に資することは、わが国の国際社会における
存在感を維持・強化する上で、即時的のみならず長期的効果が大きい。また、
令和5年度に日本が開催する G7及び以降の保健に関する様々な国際会議
においても、栄養、高齢化、健康危機、気候変動等がアジェンダとして取り
上げられることが予想される。これらの会議において本研究事業の成果を反
映した政策を世界に発信することによって、日本があらゆる国際保健課題の
解決に向けた議論を主導し、UHC 推進を含む世界における SDGs 達成やプレ
ゼンスの向上に繋がることが期待される。また、「カーボンニュートラル社
会におけるヘルスケアシステムの設計と転換策を提案する研究」で開発する
モデルによって、カーボンフットプリントの疾患別寄与を算定することが可
能となり、これにより将来的には温暖化と健康の関連を定量的、定性的に扱
うことができるようになる。
(4)総合評価
本研究事業の成果は、WHO や国連等が開催する国際会議や国際保健課題を
議論する場におけるわが国の方針の根拠として大いに活用されており、わが
国が、国際社会が 2030 年までに計画的かつ効率的に SDGs を達成できるよ
うより効果的な国際協力・貢献を行う観点からも意義深いものであると評価
できる。特に新型コロナウイルス感染症の対応をうけて、公衆衛生危機に対
するグローバルヘルス・アーキテクチャー(国際保健の枠組)の強化および
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