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04.【資料2-1】標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)(案)1/2 (90 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31652.html
出典情報 標準的な健診・保健指導プログラム改訂に関するワーキンググループ(第2回 3/7)《厚生労働省》
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人と比較して食べる速度が速い。

選択肢

① 速い ② ふつう ③ 遅い

目的

メタボリックシンドロームのリスクに関わる食べ方を把握する。
食べる速度が「速い」ことと、肥満や肥満傾向の研究結果が複数報告されて
いることから、食べる速度を確認する。非肥満であっても、食べる速度が

解説

「速い」と、メタボリックシンドロームのリスクを高める可能性も報告され
ていることから、非肥満者に対する指導を行う機会があれば、エビデンスを
説明し、以下を参考に食べる速度に関するアドバイスを行う。


日本人成人勤労者では、食べる速さが速い人は、速さがふつうの人と比
較して 3 年後のメタボリックシンドローム発症リスクが約 2 倍であっ
た 1(図 1-1)。



食べる速度が速い者は、遅い者と比べて将来の糖尿病発症のリスクは
40 歳代男性で約 1.6 倍、50 歳代男性で約 1.4 倍であった 2(図 12)



エビデンス

40-64歳の非肥満者、肥満者どちらにおいても、食べる速さが速い人
は、遅い人と比較して、メタボリックシンドローム診断基準であるリス
ク要因が1つから2つ以上に増加するリスクが約1.2倍であった 3(図
2)




咀嚼によって感知した口腔内固有感覚は、三叉神経中脳路感覚核に伝
えられ、脳内の神経ヒスタミンが量産される。この信号が満腹中枢では
食事終了の信号として働く。また、咀嚼により賦活化されたヒスタミン
神経系は、食欲抑制、末梢での脂肪分解、熱産生・放散をそれぞれ亢進
させるため、体脂肪を燃して体重を減らす4。



食べる速度は、咀嚼回数との関連が深い。
「よく噛んで食べているか」
もあわせて聞き、食べ方の情報を得ると助言に、活用できる。

聞き取り



食べる速度は、主観的に聞かざるを得ないため、
「人と比較して」の言
葉が含まれている。したがって、この比較する「人」によって、回答が

ポイント

変わる可能性がある。食べ方は、日頃一緒に食べる人(家族や同僚な
ど)に似ることがある。よって、日常での食事以外の場面も思い出し
て、聞き取る必要がある。
「速い」と回答した場合


「いつも、よく噛んで食べていますか。それとも、あまり噛まずに食べ
ていますか」とたずね、食べ方の詳細を確認する。

「ふつう」
「遅い」と回答した場合
声かけの例



「いつも一緒にお食事をされる人以外と比較しても、食べる速さは、同
じあるいは遅いですか」とたずね、食べる速度を再確認する。それで
も、
「ふつう」
「遅い」の場合は、噛み合わせなど口腔の問題がなければ、
ゆっくり食べることはよいことなので、今後も継続するよう、アドバイ
スする。

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