よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和4年版 消防白書 (157 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r4/items/r4_all.pdf
出典情報 令和4年版 消防白書(1/23)《総務省 消防庁》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

2章



消防防災の組織と活動

外で指導できない不利益がないように当該消防本部

実施について」
(令和2年1月 24 日付け通知)を発

でも認定したものとみなしても差し支えないことと

出し、各種の血中抗体検査及びワクチン接種に可及

するなど、住民のニーズに合わせた取組も進めてい

的速やかに取り組むよう消防本部に促した。

る。

個別事例として、エボラ出血熱の患者(疑似症を

令和3年度には、一般財団法人日本救急医療財団

含む。
)の移送については、感染症の予防及び感染

心肺蘇生法委員会より「救急蘇生法の指針 2020(市

症の患者に対する医療に関する法律において、都道

民用)
」が示されたことを受け、
「令和3年度救急業

府県知事(保健所設置市の場合は市長、特別区の場

務のあり方に関する検討会」において検討を行い、

合は区長)が行う業務とされているが、消防庁は厚

e- ラーニングの充実により、対面での講習時間の

生労働省と協議を行った上で、保健所等が行う移送

更なる短縮を可能としたほか、応急手当実施者の心

に対する消防機関の協力のあり方について通知して

的ストレス等に対して、消防本部がサポート体制の

いる。

構築に努めることとするなど、応急手当の実施率向
上に資するための取組も進めている。

また、令和4年5月以降、これまでサル痘の流行
が報告されてきたアフリカ大陸の国々への海外渡航
歴のないサル痘患者が欧州、米国等で報告され、7

(3)感染症への対策
令和2年度には、
「令和2年度救急業務のあり方

月には、
世界保健機関(WHO)がサル痘について、
「国
際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)


に関する検討会」において、最新の医学的知見及び

に該当すると宣言し、その後、国内でも初めてサル

新型コロナウイルス感染症患者への対応の経験を

痘患者が確認された。このことから、全国の消防本

踏まえて検討し、
「救急隊の感染防止対策マニュア

部に対し、情報提供を行うとともに、感染防止対策

ル(Ver.2.0)
」として取りまとめ、全国の消防本

について、改めて確認するよう周知した。

部に周知するとともに、消防機関における感染防止
管理体制など、必要な感染防止の取組を進めるよう

今般の新型コロナウイルス感染症への対応につい
ては特集2を参照されたい。

依頼した。当該マニュアルについては、令和3年
度に、引用するガイドラインの更新等を踏まえた
見直しを行い、
「救急隊の感染防止対策マニュアル
(Ver.2.1)
」として、全国の消防本部に周知した。
さらに、各消防本部における救急隊員の感染防止

(4)熱中症への対応
消防庁は平成 20 年度から全国の消防本部に対し、
夏期における熱中症による救急搬送人員の調査を実
施している。

対策に関する知識習得等に活用できるよう、令和3

調査結果は、速報値として週ごとにホームページ

年度にオンライン方式により開催した「救急隊の感

上に公表するとともに、月ごとの集計結果について

染防止対策研修会」の動画を消防庁ホームページで

も確定値として公表している。

公開している。
また、救急隊の感染防止資器材については、
「救

令和4年5月から9月までにおける全国の熱中症
による救急搬送人員は 7 万 1,029 人となっており、

急隊の感染防止対策マニュアル」を踏まえ、標準予

令和3年度調査(5月~9月)と比較すると 48.4

防策及び感染経路別予防策として必要とされる、感

%増加した。

染防止衣や N95 マスク等の整備について、令和4年
度から普通交付税措置を拡充することとした。

年齢区分別にみると、高齢者(満 65 歳以上)が
3万 8,725 人(54.5%)で最も多く、
次いで成人(満

救急隊員に対する血中抗体検査及びワクチン接種

18 歳以上満 65 歳未満)が2万 4,100 人(33.9%)


に要する経費について、令和2年度より、血中抗体

少年(満7歳以上満 18 歳未満)が 7,636 人(10.8%)

検査については麻しん、風しん、水痘、流行性耳下

となっている。
初診時における傷病程度別にみると、

腺炎及び B 型肝炎の5種、ワクチン接種については

軽症(外来診療)が4万 6,411 人(65.3%)で最も

麻しん、風しん、水痘、流行性耳下腺炎、破傷風及

多く、
次いで中等症
(入院診療)
が2万 2,586 人
(31.8

び B 型肝炎の6種を普通交付税措置の対象とするこ

%)
、重症(長期入院)が 1,633 人(2.3%)
、死亡

ととした。これに伴い、
「救急隊の感染防止対策の

が 80 人(0.1%)となっている(資料 2-5-15)


推進を目的とした血中抗体検査及びワクチン接種の
142

発生場所別にみると、住居が2万 8,064 人(39.5