令和4年版 消防白書 (167 ページ)
出典
公開元URL | https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r4/items/r4_all.pdf |
出典情報 | 令和4年版 消防白書(1/23)《総務省 消防庁》 |
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第
消防防災の組織と活動
また、消防庁ヘリコプターには、人工衛星へ直接
ミュレーターを用いた緊急操作訓練に必要な経費な
映像情報を伝送するヘリサットシステムを搭載し、
どについて、令和2~4年度に新規、拡充の地方財
地上の受信設備に頼らず、リアルタイムの映像伝送
政措置を講じている。
が可能となる情報伝送体制の強化を図り、大規模災
令和4年4月1日には、二人操縦士体制導入を含
害発生時における被害情報把握と緊急消防援助隊派
め、基準の全ての規定が施行された。消防庁では、
遣の迅速化に取り組んでいる。
各運航団体へのヒアリング調査を通じ、引き続き取
これらに合わせて、ヘリコプター動態管理システ
組のフォローアップを進めている。
ムの整備を進めることにより、活動現場における消
防防災ヘリコプターの位置、動態情報をリアルタイ
ムで把握し、大規模災害時の消防庁、現地災害対策
本部等におけるオペレーションが迅速かつ効果的な
ものとなるよう機能強化を図っている。
(3)
消防防災ヘリコプター操縦士の養成・確保に
向けて
消防防災ヘリコプターの操縦士は、山岳地域での
ホバリングなど高度な技術を求められるが、そのよ
ヘリコプター動態管理システムについては、
安全・
うな技術を有した操縦士の不足等により、多くの団
効率的な部隊運用や調整のため、国の関係機関が航
体で運航体制の確保が困難な状況となっている。ま
空機情報を共有できる航空機運用総合調整システム
た、今後ベテラン操縦士の大量退職が見込まれてい
(FOCS)との連携を行っている。
ることから、操縦士の養成・確保が重要な課題とな
っている。
(2)
消防防災ヘリコプターの安全な活動の確保に
向けて
平成 21 年以降、4件の消防防災ヘリコプター墜
今後見込まれる操縦士不足、二人操縦士体制の確
立を見据え、技量ある操縦士の育成・確保及び安全
運航に努めていく必要があることから、
消防庁では、
落事故が相次いで発生し、消防職員ら計 26 名が殉
運航団体が消防防災ヘリコプターの操縦士の要件及
職するという極めて憂慮すべき事態となっていたこ
び操縦士の養成訓練に係る計画を策定し、実施する
とを受け、令和元年9月、消防庁では、消防防災ヘ
ための指針として、令和2年3月に「消防防災ヘリ
リコプターの運航の安全性の向上等を図るため、運
コプター操縦士の乗務要件・訓練審査プログラム」
航団体が取り組むべき項目を「消防防災ヘリコプタ
を定めた。
ーの運航に関する基準」
(以下、
本節において「基準」
乗務要件においては、操縦士を飛行時間・運航技
という。
)として取りまとめ、助言より高い規範力
能により「専任機長」
「限定機長」
「副操縦士」の3
を持つ消防組織法第 37 条の規定に基づく消防庁長
段階に分け、それぞれの要件を定めるとともに、訓
官の勧告として発出した。
練審査プログラムにおいては、ミッションごとに求
基準では、機長に不測の事態が生じた場合の安全
められる技術の難易度に差があることや経験のある
性の確保等を目的とした二人操縦士体制や、消防防
操縦士の確保が難しい状況を踏まえ、ミッション別
災ヘリコプターの運航管理を担う運航責任者及び専
の段階的な訓練審査プログラムを定めた(第 2-7-4
門的な知見を有する運航安全管理者の配置、緊急時
図、第 2-7-5 図)
。
の対応技量の習得に向けた教育訓練のあり方など、
また、消防防災ヘリコプター操縦士等の確保・養
消防防災ヘリコプターの安全運航に関する基本的事
成に向け、防衛省及び自衛隊と連携し、若年定年退
項を定めている。
職自衛官の消防防災ヘリコプター操縦士や運航安全
また、消防防災ヘリコプターの安全性の向上を図
管理者としての活用を図るとともに(令和2、3年
るため、基準に基づき、運航団体が取り組む安全運
度に4名を運航団体において採用)
、自衛隊操縦士
航確保に資するための装備品等の整備に要する経
養成施設における消防防災ヘリコプター操縦士の養
費、二人操縦士体制導入に向けた操縦士養成に必要
成(令和4年1月から1名を養成中)などを行って
な経費、運航安全管理者の配置のための人件費、シ
いる。
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