令和4年版 消防白書 (175 ページ)
出典
公開元URL | https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r4/items/r4_all.pdf |
出典情報 | 令和4年版 消防白書(1/23)《総務省 消防庁》 |
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第
消防防災の組織と活動
(4)緊急消防援助隊の活動
を実施しており、消防大学校における教育訓練と併
ア 平成7年(1995 年)から令和4年 11 月末まで
せて、引き続き緊急消防援助隊の、より実践的な教
の出動状況
育訓練の充実を図ることとしている(資料 2-8-6)
。
平成7年(1995 年)に創設された緊急消防援助
令和4年度は、情報収集活動用ドローン等のデジ
隊は、平成8年(1996 年)12 月に新潟県・長野県
タル技術の活用による情報共有や自衛隊・警察等の
の県境付近で発生した蒲原沢土石流災害への出動を
関係機関との調整、航空運用調整班や航空指揮本部
皮切りに、平成 16 年4月の改正消防組織法施行ま
等の連携強化等を検証し、新型コロナウイルス感染
での間、合計 10 回出動した。
症対策に留意し、各地域ブロックの実情に応じて合
以降、平成 16 年新潟県中越地震、平成 17 年 JR
同訓練を実施した。
西日本福知山線列車事故、平成 23 年東日本大震災、
平成 28 年熊本地震、平成 29 年7月九州北部豪雨、
イ 緊急消防援助隊の広報
平成 30 年7月豪雨、令和元年東日本台風による災
緊急消防援助隊は、地域住民の安全安心を守る消
害、令和2年7月豪雨、栃木県足利市林野火災、静
防組織として、令和3年度に創設から 25 年という
岡県熱海市土石流災害等、令和4年 11 月末までの
節目を迎えた。
間に合計 33 回出動し、
多くの人命救助を行った(資
料 2-8-5)
。
令和3年度から、国民により身近に感じてもらう
広報にも主眼をおき、令和4年度は第6回緊急消防
援助隊全国合同訓練に関する動画やポスターを作成
イ 直近の活動状況
するとともに、訓練当日は会場内の訓練ブースを見
(ア)栃木県足利市林野火災
やすく設計した。また、会場に行けない方にも訓練
令和3年2月 21 日、栃木県足利市で発生した林
野火災は、両崖山から出火し、強風注意報が発表さ
をご覧いただけるよう YouTube による配信等を行
った。
れた 23 日以降、急激に延焼拡大した。管轄の足利
市消防本部に加えて県内外の応援隊が活動、消防防
(6)今後の取組
災ヘリコプターでの空中消火を行った。同月 25 日
東日本大震災を上回る被害の発生が懸念されてい
栃木県知事からの要請に基づき、東京消防庁統括指
る南海トラフ地震、首都直下地震等に備え、長期に
揮支援隊、福島県航空指揮支援隊及び6都県の航空
及ぶ消防応援活動への対応及び大規模かつ迅速な部
小隊が出動した。
隊投入のための体制等の整備が不可欠であり、緊急
陸上隊と航空小隊は連携し、空中消火活動を行う
消防援助隊の役割は一層重要性を増している。東日
など、
緊急消防援助隊の7日間にわたる活動により、
本大震災をはじめ様々な災害における部隊展開の経
当該火災は私有林約 167 ㏊を焼損し鎮火した。
験等を貴重な教訓とし、
以下の取組を積極的に進め、
(イ)静岡県熱海市土石流災害
ハード・ソフトの両面において緊急消防援助隊の活
令和3年7月3日 10 時 30 分頃、連日の降雨によ
動能力の向上を図ることとしている。
り静岡県熱海市伊豆山地区において大規模な土石流
が発生、10 都県の緊急消防援助隊が出動し 24 日間
にわたって救助捜索活動を行った。
ア 消防庁のオペレーション能力向上
緊急消防援助隊を的確に運用することは、消防庁
の重要な任務であり、
緊急消防援助隊の出動の要否、
(5)緊急消防援助隊の訓練及び広報
派遣地域、必要な部隊規模・種類の判断など、消防
ア 地域ブロック合同訓練
庁自体の初動対応が重要である。
技術向上と部隊間の連携強化を目的に、平成8年
ヘリコプター、ドローン等を活用し、被害状況や
度(1996 年度)から毎年全国を6つのブロックに
部隊の活動などあらゆる情報を迅速に収集・分析し、
区分して訓練を実施している。
現場にフィードバックできるよう、消防庁としての
消防庁としては、訓練実施経費の一部を国費とし
て負担するとともに、ブロックごとに設置される実
行委員会と協力し、各消防本部等の参加を得て訓練
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オペレーション能力の向上を引き続き図っていく。