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令和4年版 消防白書 (229 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r4/items/r4_all.pdf
出典情報 令和4年版 消防白書(1/23)《総務省 消防庁》
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6章



第 6-15 図

消防防災の科学技術の研究・開発
機動鑑識車

(1)一般公開
毎年4月の「科学技術週間」にあわせて、消防研
究センターを一般公開し、実験施設等の公開、展示
や実演を通じ研究開発等の紹介を行っている。令和
4年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、
令和3年度に引き続きホームページ上で動画を用い
て研究内容を分かりやすく紹介するオンライン開催
とした。令和3年度よりも期間を4日間延ばして
11 日間にするとともに項目数も 10 増やして 33 と
したところ、一般公開ページへのアクセス数は令和
3年度の約 2,000 件を上回り約 3,800 件となった。

(2)災害・事故への対応
消防研究センターでは、火災原因調査及び危険物

(2)全国消防技術者会議

流出等の事故原因調査に加え、災害・事故における

全国の消防の技術者が消防防災の科学技術に関す

消防活動において専門的知識が必要となった場合に

る調査研究、技術開発等の成果を発表するととも

は、職員を現地に派遣し、必要に応じて助言を行う

に、他の発表者や聴講者と討論を行う場として、昭

等の消防活動に対する技術的支援も行っている。ま

和 28 年(1953 年)から「全国消防技術者会議」を

た、消防防災の施策や研究開発の実施・推進にとっ

毎年度開催している。69 回目となる令和3年度の

て重要な災害・事故が発生した際にも、現地に職員

会議は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、

を派遣し、被害調査や情報収集等を行っている。

令和2年度に引き続きオンライン開催とした。令和

災害・事故における消防活動に対する主な技術的

2年度は1日のみの開催であったが、令和3年度は

支援としては、令和3年7月静岡県熱海市土石流災

2日間(11 月 25 日及び 26 日)での開催とし、発

害において、職員を派遣し、救助活動の安全確保な

表数を 11 件から 32 件に増やしたところ、参加申込

どの技術的支援を行った。また、令和3年 11 月に

者数は令和2年度の約 1,000 人を大きく上回り約

発生した大阪市此花区における倉庫火災では、職員

3,300 人となった。

を派遣し、放水手法や泡消火の有効性に関する技術
的支援を実施した。

会議では、特別講演、
「令和3年度消防防災科学
技術賞」の受賞作品の発表及び一般発表を行った。

研究開発に係る災害・事故の調査としては、令和
3年 11 月に発生した大阪市此花区における倉庫火

(3)消防防災研究講演会

災や令和4年5月に三重県いなべ市で発生した木造

消防研究センターの研究成果の発表及び消防関係

保育園火災の現場調査を実施し、消防活動に係る研

者、消防防災分野の技術者・研究者等との意見交換

究などに活用可能な情報を収集した。

のため、平成9年度(1997 年度)から「消防防災

さらには、令和4年3月の福島県沖を震源とする

研究講演会」を毎年度開催している。令和2年度は

地震により宮城県仙台市の製油所で発生した石油タ

新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ中止した

ンクの座屈及び危険物流出事故の現場調査を実施

が、令和3年度は全国消防技術者会議にあわせてオ

し、危険物施設の地震時の挙動に関する研究開発に

ンラインにより 11 月 26 日に第 24 回消防防災研究

必要な情報を収集した。

講演会「土砂災害における救助活動」を開催し、こ
れまでの研究成果、得られた知見及び課題について

3.研究成果をより広く役立てるために

議論した。

消防研究センターでは、研究開発によって得られ
た成果がより広く利活用されるように次の活動を行
っている。

(4)調査技術会議
消防研究センターでは、消防本部が行った火災及
び危険物流出等事故に関する調査事例や、最新の調
査技術を互いに発表する「調査技術会議」を開催し

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